2013 Fiscal Year Annual Research Report
凍結剥離法によって得られた機能性ナノシートの再構築による新規多孔体の創成
Project/Area Number |
24656478
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
向井 紳 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70243045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻野 勲 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60625581)
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Keywords | 化学工学 / 反応・分離工学 / 触媒 / ナノシート |
Research Abstract |
金属酸化物やグラファイトからなる層状化合物を層剥離することによって得られるナノシートは,吸着剤,触媒さらに電子材料など様々な分野への応用が期待されている。層状化合物の層剥離には,層状化合物の種類によって様々な手法が用いられるが,効率的に高いナノシート収率を得るには超音波などの過酷な処理を施す必要があった。しかし,過酷な層剥離処理は,ナノシートにダメージを与え細片化を起こすため,ナノシート本来の高い機能を十分に活かすことができない。そこで,本研究では,水の相変化(凍結・融解)現象を利用した新しい層剥離法の開発を目指した。特に,層状化合物として,MgとAlを主成分とする層状複水酸化物(ハイドロタルサイト)と酸化グラファイトを中心に新し方法による層剥離法の開発を検討した。 今年度は,特に酸化グラファイト系において,酸化グラファイトを含む水溶液を急速凍結そして解凍することで,層剥離が効率的に進行することを明らかにした。また,得られたナノシート(酸化グラフェン)のシート径が,従来法(超音波を用いた層剥離)により得られた酸化グラファイトよりも3倍以上大きいことを種々の分析手法を用いて明らかにした。また凍結・解凍の操作を6回繰り返すことで比較的高い酸化グラフェン収率(約80%)が得られることが分かった。 特に酸化グラファイト系において,新しい手法が有効であることが実証されたため,将来それをさらに発展させた研究や他の層状化合物への応用が期待される。
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Research Products
(3 results)