2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24656480
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
神原 信志 岐阜大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80362177)
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Keywords | 脱硝 / 光反応 / 真空紫外線 / ラジカル |
Research Abstract |
低温かつ硫黄存在下で動作する革新的な脱硝法の開発が求められている。本研究では,触媒(レアメタル)を用いない低温脱硝法の開発に挑戦する。すなわち,アンモニアから生成する励起化学種が脱硝反応の低温化に大きく寄与する原理を利用して,排ガスに波長172 nmの真空紫外線を直接照射する革新的な低温無触媒脱硝法を開発する。 実験により,NO/NH3/O2モデル排ガスに真空紫外線を照射すると,常温・常圧で高い脱硝率を示すことを確認し,脱硝率に及ぼす排ガス流量,酸素濃度,NH3/NOモル比の影響を調べ,前年度に特許出願を行なった。 しかし,NH3/NOモル比を高くすると,未反応NH3とO2の光反応によって,亜酸化窒素(N2O)が副生成することもわかった。そこで,本年度はNOの参加還元反応経路を素反応シミュレーションにより詳細に検討し,N2Oが生成しない光脱硝反応を探索する実験を行なった。H2Oに光照射することによりOHラジカルを生成させ,NOを常温常圧で硝酸化(HNO3)して脱硝する新たな反応法を見いだした。HNO3は水に可溶なため,スクラバーなどで容易に回収できる。 NO/O2/H2O系のモデル排ガスにおける光脱硝法においては,H2O=0%の時は脱硝率40%程度であるが,H2O=2%以上で脱硝率は急激に上昇し,H2O=3%では脱硝率はほぼ100%となった。H2O=3%以上の条件では,脱硝率は172nm紫外線から照射されるフォトン数に支配され,フォトン数/NO分子数=1.0以上の条件では脱硝率は100%となることを明らかにした。
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