2012 Fiscal Year Research-status Report
プロトン交換ゼオライトでのプロトンケミカルシフトの変化に及ぼす温度の影響
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24656486
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
馬場 俊秀 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (50165057)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ゼオライト / 酸性プロトン / 固体高分解能核磁気共鳴 |
Research Abstract |
本研究の目的は反応温度により近い状態でのプロトンの電子状態を明らかにすることである。そこで,従来では測定が不可能であった400度でプロトン固体高分解能核磁気共鳴スペクトル測定を行ない,固体触媒として知られているゼオライト測定用試料として,その酸性プロトンの性質に及ぼす温度の影響を調べた。このとき各温度でのケミカルシフトや,温度の違いによって変化したケミカルシフトの大きさの違いに注目した。試料はゼオライト骨格にアルミニウムまたはボロンを含むZSM-5ゼオライト(それぞれAl-ZSM-5とB-ZSM-5と表記)およびシリカライトであるである。いずれのゼオライトでも温度が高くなるとプロトンケミカルシフト値は増大し,ケミカルシフト値の変化は,Al-ZSM-5 > B-ZSM-5 ≒ シリカライト の順であった。またB-ZSM-5とシリカライトのプロトンのケミカルシフトは室温から400度までの範囲では,各温度において同じ値を示した。この実験結果は,酸としての性質がB-ZSM-5とシリカライトが同じであることを示している。このことをさらに確かめるために,酸触媒反応である1-ヘキセンとエタノール転化反応をそれぞれ行なった。その結果,これらの触媒を用いるとそれぞれの転化速度および各反応での生成物分布は殆ど同じであった。これらの結果は,先の固体高分解能核磁気共鳴スペクトル測定の結果を支持している。 本研究で行なった温度可変プロトン固体高分解能核磁気共鳴スペクトル測定によって,これまで赤外分光法等で測定が困難であったB-ZSM-5やシリカライトのプロトンの性質に及ぼす温度の影響を明らかにすることができた。この測定方法は,他のゼオライトをはじめ種々の固体酸の酸性質に及ぼす温度の影響を調べることに有効な手法である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験を実施する建物が,耐震工事(24年9月16日から25年3月31日)を行なったために,研究は計画通りに進行しなかった。そのため研究の進捗が遅れる原因となった。
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Strategy for Future Research Activity |
先に述べた理由のため研究期間を1年延長し,当初の計画を達成する。即ち,合成を計画していたゼオライトを合成し,それぞれのゼオライトの酸性プロトンのケミカルシフトに及ぼす温度の影響を調べる。 ゼオライト合成を行なうための構造規定剤等の薬品が必要である。ゼオライト合成に必要な構造規定剤は合成を行なう ゼオライトを合成するために,オートクレーブを用いる。これは既に設備されているので有効に使用し,ゼオライト合成の効率を上げる。 一方,1H MAS NMR 測定用試料を調製する真空装置は既に自作しているので問題はない。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験を実施する建物の耐震工事による研究遂行の遅延により未使用額が発生した。未使用額は、上記次年度の計画を実施するために用いる。具体的には以下の物品購入費用にあてる。 ゼオライト合成を行なうための構造規定剤等の薬品が必要である。更にこれを用いてゼオライトを合成するために,オートクレーブ(100 ml, 50ml 各2本,計4本)およびそのテフロン内筒やガラス器具が必要である。そのための費用を計上する。
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