2012 Fiscal Year Research-status Report
液―液界面を識別するペプチド分子から発想する抗体ナノ操作
Project/Area Number |
24656496
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
梅津 光央 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70333846)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ナノバイオ / 分子認識 / 蛋白質 |
Research Abstract |
(1) 自在な価数を設計できる多価抗体クラスター化技術 まず、水相がリッチな水―イオン液体不均一溶液をエマルジョン化し、疎水性イオン液体親和性ペプチド融合抗体分子をクラスター化させるため、抗EGFR特異的ラクダ抗体の抗原認識断片であるVHH断片のC末端にリンカーを介してイオン液体親和性ペプチドを融合させて、大腸菌で発現を行った。その結果、不溶性画分として発現したので、グアニジン塩酸塩などで可溶化した後、段階透析法を用いて巻き戻した結果、多量体として調製された。しかし、CDスペクトルで二次構造を評価したところ、免疫グロブリン構造を形成しており、さらにフローサイトメトリーで結合活性評価を行ったところ、結合機能を有していた。このことから、イオン液体親和性ペプチドをラクダ抗体のC末端に融合し、巻き戻し操作をすることによって、多価抗体クラスターを調製することに成功した。 (2) 無機ナノ粒子を内包した超多価抗体クラスターの作製 (1)で行った抗体分子のクラスター化手法の際に、疎水性イオン液体に可溶な疎水性の表面を持つセラミックスナノ粒子を疎水性イオン液体に加えて、(1)で行った巻き戻し操作を行った。その結果、抗体クラスター内にナノ粒子が導入されることが分かった。さらにこのナノ粒子内包抗体クラスターは、水と疎水性イオン液体の二相溶液に加えると界面付近でクラスター体が解離し、抗体が界面に単層膜を作製することが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通りに、本年度において、抗体のクラスター化に成功し、さらにナノ粒子を内包することに成功したため。
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Strategy for Future Research Activity |
予定よりも障害無く目的抗体クラスターを作製することに成功したため、次年度使用研究費が発生した。次年度は、開発した抗体クラスターをがん治療に応用すべく、がん細胞に対する細胞特異性と細胞傷害性の評価を推進する。そのために、まず、疎水性イオン液体に溶解する蛍光分子, 抗がん薬剤, がん殺傷ナノ粒子をスクリーニングする。そして、当該年度で開発したナノ粒子内包抗体クラスター技術を用いて、各々を別途、もしくは混合した状態で抗体クラスターに内包することを試みる。そして、各々内包した抗体クラスターをがん細胞と正常細胞の混合懸濁液に添加し、フローサイトメトリーや蛍光顕微鏡を用いて、抗体クラスターのがん細胞に対する細胞特異性を評価する。薬剤内包クラスターに関しては、細胞残存率をフローサイトメトリーにより評価する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり、平成25年度請求額とあわせ、平成25年度の研究遂行に使用する予定である。
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[Journal Article] Quantum Dot Motion on Microtubules2012
Author(s)
Aurélien Sikora, Daniel Oliveira, Kyongwan Kim, Andrew L. Liao, Mitsuo Umetsu, Izumi Kumagai, Tadafumi Adschiri, Wonmuk Hwang, and Winfried Teizer
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Journal Title
Chemistry Letters
Volume: 41
Pages: 1215-1217
DOI
Peer Reviewed
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