2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24656505
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山地 秀樹 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40283874)
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Keywords | 昆虫細胞 / 組換えタンパク質生産 / 膜タンパク質 |
Research Abstract |
医薬品開発などの重要なターゲットである膜タンパク質を本来の機能を保持した状態で迅速にかつ高収量で調製可能な技術の確立が求められている.本研究では,培養昆虫細胞を宿主として,エンベロープを有するウイルスの表面タンパク質の遺伝子と目的の膜タンパク質の遺伝子を共発現させることにより,目的の膜タンパク質がリン脂質二重層に組み込まれたウイルス様粒子として分泌生産する可能性について検討した.まず,モデル膜タンパク質であるHalobacterium halobium由来のbacteriorhodopsinの遺伝子のコドンを昆虫細胞での発現用に最適化した.得られた遺伝子を,Bombyx mori由来のアクチンプロモーターの上流にバキュロウイルス由来のトランス作用因子IE-1とエンハンサーHR3を有するプラスミドにクローニングし,昆虫細胞用の高発現型ベクターを構築した.ここで,bacteriorhodopsin遺伝子の5'末端側に種々のシグナル配列を,また3'末端側に(His)6タグの塩基配列をそれぞれ付加した.構築した発現ベクターをTrichoplusia ni由来のBTI-TN-5B1-4 (High Five)にトランスフェクションし,3日間培養後の細胞抽出液および細胞膜画分を抗(His)6抗体を用いたウェスタンブロット法で分析したところ,細胞内および膜画分にbacteriorhodopsinが発現していることを確認できた.特に日本脳炎ウイルスのprMシグナルを用いた場合に高い発現レベルが得られた.次に,日本脳炎ウイルスの表面タンパク質であるprMおよびEの遺伝子が導入され,日本脳炎ウイルス様粒子を分泌生産する組換え昆虫細胞株に,上記の発現ベクターをトランスフェクションした.現在,bacteriorhodopsinが組み込まれたウイルス様粒子の分泌発現の確認を進めている.
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Research Products
(3 results)