2013 Fiscal Year Annual Research Report
空気液化推進を目指した低温壁面での超音速速非平衡凝縮の実験的研究
Project/Area Number |
24656515
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
前野 一夫 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30133606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 匡則 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60436342)
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Keywords | 航空宇宙工学 / 圧縮性流体力学 / 極低温工学 / 空気液化推進 / レーザー干渉計測 / 高速凝縮液膜 / 衝撃波 / LACE |
Research Abstract |
本研究は空気液化型推進機の基本メカニズムとなる大気吸い込み型エンジンの内部高速空気流れ中の冷却壁面での液化機構の解明のために、極低温域の小型無隔膜衝撃波管を独自に開発研究し、衝撃波波面後方の超音速域を含む高速流れでの極低温壁面への非平衡凝縮現象を実験的に解明するものである。計測実験用の極低温小型無隔膜衝撃波管を構築するために、独自の2重ピストン式衝撃衝撃波管駆動装置を(MOチューブ高圧駆動部)を設計し外注により制作して、その作動特性を把握した。また、旧装置を併用した超音速流れにおける対流熱伝達と高速凝縮現象に関する実験研究と流れの可視化について実験手法を確立し、実験研究結果の国内外への公表を行った。特に、レーザー液膜干渉計測の結果、入射衝撃波背後の超音速・高亜音速流れと、衝撃波管端からの反射衝撃波後方の淀み条件における低温壁面への非平衡凝縮現象を同時に計測し、流れの有無と温度圧力条件の異なる時系列流れ中での凝縮現象に対して非平衡凝縮液膜の定量的計測を行うことに成功した。また平行して、自作の白金薄膜温度計を用いて高速凝縮に伴う壁面での熱流束計測を実施し、干渉計測結果と比較することにより、凝縮液膜の成長における流れの有無と液膜の不安定現象と液膜飛散の効果を議論・推量することが可能となった。 高速流れ領域の低温壁面への非平衡凝縮による液膜成長の過程で、液膜表面の不安定現象が生じ、さらに表面波が成長合体して、液膜の飛散へと変化することが、本研究の流れの可視化から判明したが、実際の液膜の不安定現象を画像計測で連続的かつ明瞭に捉えることに関しては、まだ十分な結果には至っていない。今後の精密な実験研究が必要である。特に本研究の結果より、超音速域の空気液化型推進機の空気液化凝縮においては、液膜からの飛散液滴をどのように捉えて推進機に送り込むかが技術的な課題となることが判明した。
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