2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24656528
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 謙司 東京大学, 総括プロジェクト機構, 特任准教授 (40431788)
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Keywords | 浮動軸型風車 / FAWT / 浮体式洋上風力発電 / 潮流・海流発電 / 垂直軸型タービン / 洋上再生可能エネルギー |
Research Abstract |
現在検討されている浮体式洋上風車の主流は、陸上で実績のある水平軸型風車を浮体上に搭載する形式である。しかし、このような重心の高い浮体構造物は、大型化する浮体によるコスト増、動揺する高所での保守作業の危険性などの問題がある。一方、垂直軸型風車(VAWT)は低重心で単純な構造となるため、浮体式に適したコンセプトして再評価が進められているが、大重量ローターを支えるベアリングの開発が難しい。そこで本研究では、円筒型浮体をVAWTローターの回転軸とする事で大型ベアリングを不要とするFloating Axis Wind Turbine (FAWT)コンセプトを検討している。 FAWTは、回転軸の風力に応じた傾斜を許容する事で、浮体を含む支持構造の削減と低コスト化を狙っている。このため本研究では、風車傾斜が性能に与える影響を、数値シミュレーションおよび流体実験で評価する。 流体数値シミュレーションの結果は、既存の風洞試験結果を用いて比較検証した。ただし、実験の風車は、ビルの屋上などで傾斜した風を受けるVAWTを想定しており、検討中の浮体式VAWTよりもローターのアスペクト比が小さい。このためアスペクト比の影響を調べるため、高アスペクト比の風洞試験用模型を用意した。この実験は計画よりも遅れているが、これまでに開発した流体数値シミュレーション結果との比較を行い、その成果を発表していく。 提案コンセプトのローター支持機構は、本研究での検討の結果、当初よりも単純で低コスト化が期待できるデザインに変更された。大型浮体式VAWTでは、ジャイロ効果による姿勢安定化が期待されるが、係留されたまま回転する大型ローターの挙動は不明な点が多い。このため、ローター運動の6自由度運動モデルによる波浪中の動力学シミュレーションを開発した。この成果については、2014年中の発表を予定している。
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