2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24656531
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
鈴木 和夫 横浜国立大学, 工学研究院, 教授 (80111699)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 推力発生装置 / ダクト / 回転翼 / ボス |
Research Abstract |
本研究では、回転翼を利用しないダクト型推力発生装置の試作を行い、その流体力学的特性について検討した。本装置の基本アイデアは流体推力発生装置(特開2008-100628)として出願されており、回転翼を利用する従来の推進装置であるスクリュープロペラに対して、回転するボスにより生じる回転流をダクトとダクト内面に配置したベーンにより直進方向に誘導して噴出し推力を得る。ただし、回転流を強める手段として、突起付きボス、表面粗度つきボス、あるいはボス断面の偏円化、等を考慮した装置とする。従来の装置では後方への回転流が無駄になっていたが、本装置では回転流を積極的に利用し後流にはほとんど回転流を残さない。本応募課題では、このような新形式の推進装置について実証化の基礎的知見を得ることを目的に研究を実施した。 本助成による研究以前に自主研究として風洞実験や回流水槽での基礎的実験を実施してきたが、それらの研究結果を参照して、さらに適切なダクト内径、ベーン角度、ボス直径、突起形状等のパラメータについて検討し、回流水槽実験用の模型を製作した。複雑な形状のボスの作成には3Dプリンタによる造形を利用した。回流水槽で、流体力(抗力、推力およびトルク)の計測、流れの可視化等の実験を実施し、効率等の検討を行った。実際に推力が発生していることが確認されたが、今回の模型では十分な効率が得られていないので、今年度の研究に基づいて効率向上の検討を行い、改良模型の実験を行う必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の具体的な目的は、①設計パラメータ(ダクト内径、ベーン配置・設置角度、円筒体直径、突起配置・高さ・本数等)を体系的に変化させたダクト型推進装置の計画・設計・製作、②各模型の回流水槽における推力・トルク計測試験、③各模型の回流水槽における吸入側、ダクト内、および吹出側の流れの可視化実験、であったが、すべての項目について実施することができた。設計パラメータがやや限られていたが、概ね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の進捗状況を考慮しながら研究を進めるが、基本的には模型の改良と回流水槽におけるシリーズ試験の続行、初年度で確立させた手法に基づく可視化実験の続行が主な内容となる。具体的には、①回流水槽におけるシリーズ試験の継続、②模型の改良の検討と新規模型の計画・設計・発注、③シリーズ模型の流体力計測試験、④シリーズ模型の可視化試験(静止画・動画撮影)、さらに最終的には、⑤回流水槽試験のまとめ、を実施していきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(1 results)