2013 Fiscal Year Research-status Report
環境に優しい薄板構造物の溶接変形予測および歪取り方案創成
Project/Area Number |
24656532
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村川 英一 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (60166270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芹澤 久 大阪大学, 接合科学研究所, 准教授 (20294134)
柴原 正和 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20350754)
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Keywords | 溶接変形 / 歪取 / 理想化構造要素 / 界面要素 / 固有変形 / 画像計測 / 建造 / 薄板構造 |
Research Abstract |
船は、小組立、大組立、ブロック搭載と部品を順次溶接により組立てることにより建造される。このような組立法の場合の溶接組立変形は、溶接や線状加熱による局部収縮と部材間の位置合せ誤差やギャップ矯正が原因となって生じる。そこで本年度は位置合せやギャップ矯正が考慮できるように平成24年度に開発した理想化構造要素に界面要素を組合せた溶接組立変形予測プログラムを開発し、その動作確認を行った。また、板厚が異なる突合溶接継手および隅肉溶接継手を対象に溶接および歪取を目的とした線状加熱によって発生する横収縮、横曲り、縦収縮などの固有変形を3次元熱弾塑性FEM解析により求め固有変形のデータベースを構築した。なお、FEM解析の結果から固有変形を求める方法として、塑性歪を積分する方法や逆解析を用いる方法などが提案されているが、前者については隅肉溶接の場合に生じる積分領域の曖昧さ、また後者については端部影響の分離が困難であると言う問題が有り、これらを回避するために計算機上で溶接部を切出す方法を考案した。FEM解析から得られた固有変形の精度を実験計測との比較により検証した。さらに溶接変形を平成24年度に開発したCCDカメラ映像を用いた画像計測法により計測した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前倒しの形で平成24年度から着手した理想化構造要素と界面要素を組合せた溶接組立変形予測プログラムの開発を平成25年度に完了できた。また、固有変形については、溶接に加えて歪取りを目的とした線状加熱についても固有変形データベース構築に着手することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
固有変形に関しては、入熱が低減可能な断続溶接継手および歪取りに用いられる線状加熱を対象に固有変形データベースを構築する。平成25年度に開発された溶接組立変形予測プログラムと構築された固有変形データベースを用いて、スティフナーにより補剛されたパネルから構成される平面および立体ブロックを対象に、溶接組立変形、特に座屈の発生を予測する。予測の妥当性を検証するため、造船所において溶接変形を実測し予測値と比較する。さらに、断続溶接の採用や組立順序の最適化による座屈変形低減効果をシミュレーションにより評価する。止むを得ず発生する座屈変形については、効果的な歪取り方案をシミュレーションにより検討する。上記の検討に基づき提案された溶接組立変形低減対策および歪取り方案の効果を確認するため、実現可能な範囲で造船所での建造に適用を試みる。
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Research Products
(7 results)