2014 Fiscal Year Annual Research Report
環境に優しい薄板構造物の溶接変形予測および歪取り方案創成
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24656532
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村川 英一 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (60166270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芹澤 久 大阪大学, 接合科学研究所, 准教授 (20294134)
柴原 正和 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20350754)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 溶接変形 / 歪取 / 理想化構造要素 / 界面要素 / 固有変形 / 画像計測 / 建造 / 薄板構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、船の建造において問題となる溶接組立時の変形を予測し船体ブロック精度の向上を実現することであり、特に、板厚が薄い自動車運搬船、客船、艦艇などのデッキに発生する座屈型の溶接変形について、その発生を予測し、さらに防止対策を講じるための簡便な手段を提供することを目的とする。そのために、固有変形、理想化構造要素、界面要素という概念あるいは方法を適用することにより大型ブロック全体の溶接組立変形が予測できる方法を開発した。 具体的には、溶接変形は熱弾塑性現象であるという生成プロセスに注目すると非線形問題であるが、結果に注目すると溶接線近傍に生じる局部収縮すなわち固有ひずみに集約できるので、熱弾塑性FEMを用いて固有ひずみを計算し、さらにこれを積分することにより横収縮、縦収縮、角変形などの固有変形を求め固有変形データベースを構築した。理想化構造要素は、船体などの薄板構造の最終強度解析の手段として提案されたものであり、1パネルの座屈/塑性崩壊現象が1個の有限要素を用いて表現できる点が特徴である。本研究では、パネルの座屈現象に加えて補強材との溶接における溶接変形が固有変形を通して再現できる理想化構造要素を開発した。さらに、界面要素は面と面の相互作用を表すために研究代表者らが提案した要素で、亀裂進展問題などに用いられる。本研究では、ブロック建造時に順次組み付けられる部材間の関係を表すためにこれを導入し、部材間の関係が組立時において互いに自由な状態、仮付け状態、完全に接合された状態と変化する過程が表現できるとともに、部材間に生じたギャップの矯正や組立順序が寸法精度に及ぼす影響の検討が可能なブロック組立変形予測法を開発した。
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Research Products
(6 results)