2014 Fiscal Year Annual Research Report
光ファイバー温度計を用いたメタンハイドレート層の熱物性現位置評価法の開発
Project/Area Number |
24656543
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
藤井 光 秋田大学, その他部局等, 教授 (80332526)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | メタンハイドレート / 熱伝導率 / 地層評価 / サーマルレスポンス試験 / 数値シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
MH層からの生産手法として有望と考えられている減圧法ではMH層およびMH層上下盤の熱伝導率がガス生産挙動に大きく影響する。MH層の熱伝導率の値は通常コア分析により決定されているが,この方法は高コストであるだけでなく,コアを地上に運搬する際にMHが分解するためデータの質の保証が難しい。そこで,本年度の研究ではMH層における熱伝導率分布の原位置測定法を確立させるための同軸管熱交換器を用いたフィールド試験方法の提案と,その際に使用する数値シミュレーションモデルの開発を行った。 提案するフィールド試験方法では,熱負荷を与えた熱媒体を同軸型地中熱交換器の内部に循環させ,深度ごとの温度プロファイルを光ファイバー温度計で測定して実測値を得た後,各地層の熱伝導率を変数とし,非線形回帰法を用いた最小化計算を行う。シミュレーションプログラムの妥当性を検証するために用いたデータは,MH層における実験結果が存在しないため,秋田県仙北郡田沢湖町生保内字黒湯沢(現仙北市)にあるカラ吹源泉3号井においての実験結果を使用した。この際,出口温度予測値は,実測値における出口温度と良好なマッチングを示したため,本研究のシミュレーションプログラムの妥当性が検証された。また,本シミュレーションプログラムにより,地層の熱伝導率の影響を受けた各深度においてのアニュラスの温度挙動を確認することが可能だったため,提案したフィールド試験方法により温度挙動の実測値が得られた場合,非線形回帰法を用いた最小化計算により原位置でのMH層の熱伝導率を推定することが可能であると考えられる。そのため,本研究で提案したフィールド試験が実現した場合,より正確な熱伝導率が得られると推定でき,専用シミュレータにより算出されるMH層の埋蔵量・生産量等の精度を上げることができると判断された。
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