2013 Fiscal Year Annual Research Report
ホール素子を用いた高温・高圧流体の粘度測定センサーの開発
Project/Area Number |
24656544
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐々木 久郎 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60178639)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅井 裕一 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70333862)
|
Keywords | 資源開発 / 粘性 / 石油 / 温度 / 高圧 / フォーミィオイル / エマルション |
Research Abstract |
本研究では,高圧セル中に入れたサンプル流体の粘度とその中での物体の落下時間が比例するという原理を利用し,高圧下にある流体セルに円筒状の磁石を外部の磁石を用いて上下動させ,ホール素子によってその落下速度を検出することにより流体の見かけ粘度を測定する装置を試作した。粘度が明らかな標準液体を用いた較正試験の結果,10%以内の精度で粘度を測定できることを平成24年度の研究で実証している。平成25年度の研究として,製作した粘度測定装置を用いて実際の高圧下での原油の粘度測定を実施した。現在、注目されている重質油の採油増進法であるCO2およびCH4ガスを重質油に溶解させた原油試料,CO2マイクロバブルが分散したフォーミィオイル試料および高圧下での油中水滴型のエマルションの各原油試料における見かけ粘度を測定し,その変化特性について実験的に調べ、本粘度測定法の適用性について調べた。 溶解性ガスであるCO2やCH4を6MPaまでの圧力下で重質油に溶解させる過程と減圧によるガス溶出過程での粘度変化の測定を実施し、2種のガス溶解に対し重質油の粘度はいずれにおいても20%程度低下するものの,その後の減圧過程ではCO2の場合だけ見かけ粘度が約20%低下し,CH4の圧入では元のオリジナルな重質油の粘度に戻る異なった結果が得られた。これらの原因は,重質油に溶解したCO2が溶出するときに安定なマイクロバブルが分散することでフォーミィオイルが生成したためであることが高圧可視化セルを用いた顕微鏡観察で明らかになった。一方,油中水滴型のエマルションを生成させたときには,反対に見かけ粘度が20%程度増加することが示された。以上のように,試作した新たな粘度計により,種々の高圧環境下にある石油貯留層とくに重質油層における採油増進手法の基礎データとなる粘度変化を測定できることを示した。
|
Research Products
(8 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] 高圧粘度計の開発2013
Author(s)
江上雄大、佐々木久郎、菅井裕一
Organizer
平成25年資源・素材学会九州支部春季例会
Place of Presentation
熊本市、熊本大学
Year and Date
20130531-20130531