2013 Fiscal Year Annual Research Report
ナノグラフェン磁性流体を利用した革新的レアメタル磁気回収プロセス
Project/Area Number |
24656548
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
本間 格 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (90181560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笘居 高明 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (80583351)
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Keywords | グラフェン / リサイクル / 超臨界流体 / レアメタル |
Research Abstract |
本研究では、強磁性体であり特異な吸着特性を持つことが理論的に予測されているジグザグ端ナノグラフェンを高効率に作製することで、ナノグラフェン流体を創製し、これを用いた革新的なレアメタル微粒子回収プロセスを提案することを目的とする。 酸化、又は、還元雰囲気下で金属微粒子を担持させたグラファイトを加熱すると、金属微粒子が表面を侵食し、結晶方位に従ってジグザグ端で構成されたナノトレンチが形成される。本研究ではこの反応と超臨界流体の層状化合物剥離効果を同時利用したエッジ制御グラフェンの一段階作製技術を確立した。 本反応は活性化エネルギーが高く、一般的に650℃以上の高温が必要であるとされてきたが、本研究では、従来の気相中での酸化処理に代え、超臨界水による処理を行うことで、触媒銀微粒子によるナノカッティング反応を流体中で、且つ、500℃以下の低温で進行させることに成功し、原料グラファイト粉末から、ジグザグ端の導入されたグラフェンを直接作成することを可能とした。 バルク全体へのジグザグ端導入比率はラマン散乱スペクトルから評価した。ラマン散乱分光法は、非常に有力なグラフェンの構造解析手法であり、アームチェア端で顕著なDバンドが、ジグザグ端では消失することから、バルクとしてのジグザグ端の抽出の可否を判断できる。銀微粒子の初期担持密度、処理時間、処理温度、処理圧力依存性を検討することで、未処理のグラファイト粉末と比較して、ジグザグ端導入の指標となるラマンスペクトルのDバンドのD'バンドに対する強度比を40%低減することに成功している。 ジグザグ端は金属微粒子の吸着に対し有利に働くことから、本研究により見出されたジグザグ端導入ナノグラフェンの高効率作製手法は、将来的なグラフェン吸着剤を利用したレアメタルや放射性微粒子回収に大きく貢献するものであると期待される。
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