2013 Fiscal Year Annual Research Report
キレート錯体化と電気透析法を利用した金属の選択的分離
Project/Area Number |
24656549
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
飯塚 淳 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (70451862)
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Keywords | リチウムイオン電池 / 選択的分離 / キレート剤 / バイポーラ膜 / 電気透析 |
Research Abstract |
正電荷を有する金属イオン同士を容易に分離することができる金属イオンの新たな選択分離方法の開発を行った。バイポーラ膜を利用した電気透析と金属の錯体化を組み合わせることで、錯化剤やpH調整剤の消費の無い金属の選択的分離技術開発を目的とした。 初年度にはまずリチウムとコバルトを含む混合溶液を対象とし、キレート化剤としてEDTAを選択することで、バッチ式及びセミバッチ式の電気透析実験を各種条件のもとで行った。その結果、バッチ式での試験結果から、リチウムとコバルトの選択的分離が予想通りに行えることを確認した。同時に実験した条件下ではイオン交換膜への金属イオンの収着が無視できない量で生じることを確認した。しかし、これは連続的に金属イオン分離を行う場合には問題にならないと考えられた。続いて、セミバッチ試験によって、リチウムとコバルトの連続的分離試験を行った。この結果から連続的に金属イオンの選択的分離が行えることを確認した。 次年度には、対象とする金属含有混合溶液系について検討を行い、特に重点的に検討を行う系として、リチウム-コバルト-マンガン(Li-Co-Mn)の混合系と、インジウムとアルミニウム(In-Al)の混合系を選択し、それらの系を対象とした試験を進めた。Li-Co-Mn混合系では、コバルトとマンガンが同一のセルに濃縮された。しかし、その分離速度はコバルトの方がマンガンよりも2倍程度大きく、速度差を利用した3元素の選択的分離の可能性が示唆された。また、In-Al混合系での分離実験では、予想通りインジウムとアルミニウムをそれぞれ別のセルに濃縮分離することが可能であることを確認することができた。
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