2014 Fiscal Year Annual Research Report
二酸化炭素直接還元炭素資源再生による再生可能エネルギーの負荷平準化
Project/Area Number |
24656550
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
加藤 之貴 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 准教授 (20233827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
劉 醇一 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助教 (70376937)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 二酸化炭素 / 電気分解 / 電気分解セル / 一酸化炭素 / 炭素資源再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
二酸化炭素(CO2)電気分解セルを製作しCO2電気分解の実証を行った。熱力学上有利な800℃以上での高温で電気分解を行った。目的のセルは固体酸化物燃料電池(SOFC)と同様の構成をとり、SOFCと逆の電解をかけて電気分解を行った。カソード極向けのCO2分解触媒と酸素イオン伝導粒子を混合した粒子を調製し、逆電解を与えCO2を還元した。電解質にはディスク形のイットリア安定化ジルコニア(YSZ)を用いた。 高価なPtを使用しないセル構成を検討しNi-YSZ|YSZ|LSM-YSZの構成を持つSOECを作成し反応性を実験的に検討した。800℃の条件下においてNi-YSZ系のCO生成速度が0.366 μmol min-1 cm-2で、従来に比較して高い反応活性を示した。CO:酸素生成比がほぼ1:0.5となり、Faraday則に応じて化学量論的に電気分解が進むことを確認した。また250時間の連続試験でも反応活性、結晶構造に大きな変化が見られず安定しており、機械混合が高温加熱に代替できる可能性を示した。 得られた実験データを基に製鉄プロセスへの本技術の応用可能性を検討した。大型高炉から発生するCO2の30%を回収、電気分解して、循環再利用することを仮定して、試算を行った。所要エネルギーは電気分解電力が170 MWe、SOEC加熱熱量が38 MWtと見積もられ合計200 MW規模のエネルギー入力が必要であった。再生可能エネルギーとして大規模太陽電池(メガソーラー)がエネルギー源として候補である。20 MW規模のメガソーラーをこのSOECシステムに利用すると高炉で3%程度のCO2排出削減が可能と見積もられた。現在、製鉄プロセスのCO2削減10%を目指して検討がなされており、本SOECシステムの貢献は少なくないと期待された。 以上から本研究目的であるCO2の再資源化、再生可能エネルギーの負荷平準化への貢献性に必要な実験データが得られたと判断される。
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