2013 Fiscal Year Research-status Report
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24656559
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
花田 和明 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (30222219)
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Keywords | 高温プラズマ計測 / 飛翔型プローブ / 熱入力 |
Research Abstract |
平成25年度は、平成24年度に実施したセラミック球の落下実験でプラズマからの局所的な熱入力によりセラミック球が粉砕したことを受けて、ステンレス、タングステン2種類の金属球の落下実験を実施した。直径10mmのステンレス球を落下させたところ、プラズマの閉磁気面から十分に離れたところで発光することが確認された。このことから別の実験で予想されていた開磁気面に閉じ込められた高速のバナナ電子の存在が確認できた。落下球はプラズマから受けた力により軌道がそれて回収配管では回収できなかったが、実験終了後に落下球を回収して観察することができた。SEMによる観察で表面には明らかな溶損とダスト状の粒子の付着が観測された。また、ダイバータ板上に溶けたステンレスが直線的に付着していたためステンレス球がプラズマ中を通過した後、冷えるまでにダイバータ板上を転がったと考えられる。ダイバータ上に残留したステンレスと残りのステンレス球の質量から欠損した質量が5mgであることが分かった。落下した位置についていた跡からプラズマ中でステンレス球が受けた力を計算し、平均的に7mNの力を受けたことを確認した。この力を生み出した原因として、電磁力、融解による粒子放出の反作用、イオン流の運動量注入等について検討し、融解による粒子放出の反作用が力の方向や大きさの点で力を生み出す原因と考えられることが分かった。受けた力とステンレス球を融解させるために必要な入熱量から、電子密度と磁力線方向の速度の積として最少、4×10^19、最大値として7×10^20m-2s-1を得た。この値は電流密度として6-100A/m2に相当し、プラズマの断面積とプラズマ電流から評価した20kA/m2に比べて小さい。このことは、金属球の表面から蒸発した金属不純物がプラズマ内に混入し、プラズマ電流を減少させた可能性が示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
従来のプローブ測定のように電気信号を取り出してデータを得ることはできていないが、飛翔型であることの利点を活かして軌道や発光の状況から熱入力や力を評価してこれまで計測が困難であった高速電子密度と磁力線方向の速度の積を評価することに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
本実験の実施の困難さは、落下した金属球の回収ができていないことによる。今年度の実験でステンレス球とタングステン球で軌道のずれに大きな違いがないことから、電磁力ではなく、局所的な熱入力が原因だと同定されたため、次回以降の実験では落下球の回収が可能になると考えられる。回収が可能となれば繰り返し実験を行うことができるためデータ収集の効率も上がることが予測される。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Cross-field motion of plasma blob-filaments and related particle flux in an open magnetic field line configuration on QUEST2013
Author(s)
Haiqing Liu, kazuaki hanada, Nobuhiro Nishino, Ryota Ogata, Masaki Ishiguro, X.Gao, hideki zushi, Kazuo Nakamura, Akihide Fujisawa, Hiroshi Idei, makoto hasegawa
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Journal Title
Journal of Nuclear Materials
Volume: Vol.438
Pages: S513-S517
Peer Reviewed
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[Presentation] QUESTにおけるECCDプラズマの硬X線計測2013
Author(s)
鈴川槙一郎,花田和明,田島西夜,図子秀樹,恩地拓己, 磯部光孝 ,藤澤彰英,中村一男,出射浩,永島芳彦,長谷川真,川崎昌二,中島寿年,東島亜紀,高瀬雄一,福山淳,御手洗修
Organizer
プラズマ・核融合学会九州・沖縄・山口支部 第17回支部大会
Place of Presentation
佐世保工業高等専門学校
Year and Date
20131221-20131222
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[Presentation] AXUVを用いたQUESTプラズマの振動解析2013
Author(s)
三浦 弘貴, 花田和明、図子秀樹、中村一男、藤澤彰英、出射浩、永島芳彦、長谷川真、中島寿年、川崎昌二、東島亜紀、御手洗修、前川孝、福山淳、高瀬雄一、江尻晶、福本直之、山口隆史、富樫央
Organizer
プラズマ・核融合学会九州・沖縄・山口支部 第17回支部大会
Place of Presentation
佐世保工業高等専門学校
Year and Date
20131221-20131222
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[Presentation] QUEST内の高周波プラズマにおけるプラズマ対向壁の熱負荷計測2013
Author(s)
濱田夏彦, 花田和明, 中村一男, 長谷川真, 徳永和俊, 御手洗修, 図子秀樹, 藤澤彰英, 出射浩, 永島芳彦, 川崎昌二, 中島寿年, 東島亜紀, 荒木邦明
Organizer
プラズマ・核融合学会九州・沖縄・山口支部 第17回支部大会
Place of Presentation
佐世保工業高等専門学校
Year and Date
20131221-20131222
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[Presentation] QUEST内のダスト計測2013
Author(s)
本田拓巳, 花田和明,吉田 直亮,図子秀樹,中村一男, 藤澤彰英, 出射浩, 永島芳彦,長谷川真,川崎昌二, 中島寿年, 東島亜紀
Organizer
プラズマ・核融合学会九州・沖縄・山口支部 第17回支部大会
Place of Presentation
佐世保工業高等専門学校
Year and Date
20131221-20131222
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[Presentation] QUESTにおける周辺プラズマのプローブ計測2013
Author(s)
下地貴弘, 花田和明, 図子秀樹, 出射浩, 藤澤彰英, 永島芳彦, 長谷川真, 中村一男, 東島亜紀, 川崎昌二, 中島寿年, 福山淳, 高瀬雄一
Organizer
プラズマ・核融合学会九州・沖縄・山口支部 第17回支部大会
Place of Presentation
佐世保工業高等専門学校
Year and Date
20131221-20131222
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[Presentation] Two-Fluid MHD Equilibrium Considerations of Te/Ti >> 1, Collisionless Plasmas Sustained by RF Electron Heating2013
Author(s)
Y.K.M. Peng, A. Ishida, Y. Takase, A. Ejiri, N. Tsujii, T. Maekawa, M. Uchida, H. Zushi, K. Hanada, M. Hasegawa
Organizer
23rd International Toki Conference (ITC-23) “Large-scale Simulation and Fusion Science”
Place of Presentation
Toki City, Gifu, JAPAN
Year and Date
20131118-20131121
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[Presentation] Power balance estimation in long duration discharges on QUEST2013
Author(s)
K.Hanada, H.Zushi, H.Idei, K.Nakamura, M.Ishiguro, S.Tashima, E.I.Kalinnikova, Y.Nagashima, M.Hasegawa, A.Fujisawa, A.Higashijima, S.Kawasaki, H.Nakashima, O.Mitarai3, T.Maekawa, A.Fukuyama, Y.Takase, X. Gao, H.Liu, J.Qian, M.Ono, R.Raman, M. Peng
Organizer
A3 Foresight Program Workshop on Critical Physics Issues Specific to Steady State Sustainment of High-Performance Plasmas
Place of Presentation
Beijing, China
Year and Date
20130519-20130524
Invited
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