2012 Fiscal Year Research-status Report
ミリ波伝送素子最適構造設計用電磁波シミュレーション技法の開発
Project/Area Number |
24656560
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
中村 浩章 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 教授 (30311210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 祐一 甲南大学, 知能情報学部, 准教授 (50311212)
久保 伸 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 教授 (80170025)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 導波管 / 時間領域空間差分法 / FDTD法 / 電子サイクロトロン加熱 / ミリ波 |
Research Abstract |
核融合プラズマにおける電子サイクロトロン加熱システムのミリ波伝送系効率の向上を目指し、電磁波伝播(時間領域空間差法:FDTD)シミュレーションシステムの開発を行ってきた。初年度は、ミリ波伝送コンポーネントであるコルゲート導波管を取り上げ、FDTD法による伝送効率の評価法の確立を行った。直線状の円筒導波管として内面が微細な櫛歯状に加工されたコルゲート導波管が用いられている.このコルゲート導波管は、導波管内面が櫛歯形状になり長手方向に誘導電流が流れづらい構造になっている。 具体的な研究成果として、 (1) 電磁波シミュレーションに適している時間領域差分(FDTD)法を用いて解析する系に適合したシミュレーションコードを開発し、(2) そのコードを直線コルゲート導波管に適用して動作確認を行い、(3) コルゲート導波管の櫛歯形状を変化させたときの相違について調べた。 誤差の評価には、解析的に解ける矩形導波管を対象に、シミュレーション結果との比較を行い、セルサイズ依存性を調べた。コルゲート導波管の櫛歯形状を変えることによる伝送効率への影響について調べることも行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りFDTD法を用いた電磁波伝播シミュレーションコードを開発し,直線状円筒コルゲート導波管に適用し、エネルギー保存性の確認を行うことができた。また、解析的に解ける矩形導波管を対象に、シミュレーション結果と解析解との誤差評価まで行い、シミュレーションの妥当性検証を行うことができた。 当初の予定通り、コルゲート導波管中の電磁波伝搬シミュレーション技法のプロトタイプを構築することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
ミリ波伝送系は直線状のコルゲート導波管とミリ波の進行方向を90度変えるマイターベンドという2種類の伝送素子から構成されている。今後の課題として,本年度開発したFDTDシミュレーションを、ミリ波伝送コンポーネントであるマイターベントに対して適用し、そのエネルギー伝達効率の評価を行うことを計画する。 さらに、現状では導波管は完全導体として取り扱っている。しかし現実の導波管はアルミニウムで作られている。そのため、アルミニウムに発生する誘導電流により、ジュール加熱が起こりエネルギーが損失する。この効果を取り入れるため、分散性媒質を扱う金属の理論モデルを組み込み、導波管壁面でのエネルギー損失の空間依存性を解明する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究グループ内の打ち合わせとして甲南大(神戸)と核融合研(土岐)間の一泊二日の国内旅費を10回程度行うためや国内での学会発表のために60万円を使う。さらに、研究成果を海外での計算物理国際会議(チェコスロバキア)で発表するために24万円を使用する。 本研究で行うFDTDシミュレーションでは、電磁波の膨大なデータが出力されるため、そのバックアップ用の記録媒体(主にHDD)に19万円、計算機のメモリを10万円程度使用する。
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