2013 Fiscal Year Research-status Report
倒置・超短時間レーザフラッシュ法による放射性物質固化用ガラス融体の熱伝導率の研究
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24656565
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
太田 弘道 茨城大学, 工学部, 教授 (70168946)
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Keywords | 珪酸塩 / ガラス固化 / 硼珪酸塩 / 熱浸透率 / バックエンド / 融体物性 / 放射性廃棄物 / 高温融体 |
Research Abstract |
減容化、安定化の効果が大きいガラス固化により放射性廃棄物を固定化して廃棄することが検討されている。ガラス固化体製造用の溶融炉の安定制御のためにはその物性値が不可欠である。本研究は高放射性廃棄物ガラス固化体に用いられる融体(以下廃棄物固化用ガラス)の熱伝導率を測定しこのデータをもとに組成と熱伝導率の関係を明らかにすることを目的とする。 本研究では、研究代表者らの開発した高温の酸化物系融体の熱伝導率計測として熱放射の影響や試料の電気的性質に関わらず正確な測定が可能な倒置・超短時間レーザフラッシュ法により廃棄物固化用ガラスの熱浸透率(熱伝導率の平方根に密度と比熱を掛けた値)を測定した。この手法はごく薄い底面をもつ白金セル底面にレーザパルスを照射しその後の底面の温度変化をパルス照射後10ms程度のごく短時間領域で赤外線による温度計測を行うことにより融体の熱浸透率を測定するという簡単な方法により、1800K程度の温度まで正確に測定を行うことが可能である。 平成24年度は廃棄物固化ガラスの模擬ガラスを測定した。組成は重量%でAl2O3 5、B2O3 14 CaO 3 CeO2 1 Cs2O 1 Gd2O3 1 Li2O 3 MoO31 Na2O 3 Nd2O3 2 SiO2 48 ZnO 3 ZrO2 1 、残部は酸化物換算で15%のAg, B, Co, Cr(三価), Fe, K, La, Mn, Ni, P, Pd, Pr, Sr, Rh, Ru, Te, Y, Sm を含む試料を測定である。 平成25年度は、構造と熱伝導率の関係の理論的な検討を行う事を目的として、基本系である、B2O3-CaO-SiO2融体の熱伝導率の測定を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定からやや遅れているが、実験をほぼ問題なく実施し、平成24年度は実装業で使用されている組成の近似組成の試料の測定を行った。平成25年度は、ホウケイ酸塩ガラスの理論の基礎としてケイ酸塩ガラスの熱伝導率の測定を行い、組成に基づき計算されるネットワーク構造と熱伝導率の関係の理論を構築しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は理論的な検討を行えるように単純な組成の系の測定を実施し、構造との関係に着目した実験を開始したが、スタッフなどの人的資源の関係から十分な測定が実施できなかった。平成26年度は、十分な回数の実験を実施し、解析する組成範囲を拡げる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
やや計画が後れたため一部の実験を次年に行う事として白金セルなどの消耗品代として三万円程度を次年度に使用することとした。平成26年度においては、この金額を含めて計画的に実験を行う。 白金セルなど消耗品などを購入し、実験を続行する。
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Research Products
(6 results)