2014 Fiscal Year Research-status Report
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24656566
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
澤田 哲生 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助教 (20235469)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 原子力ムラ / 国産原子炉 / 脱原発 / 御用学者 / 湯川秀樹 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに、1)原子力ムラの形成過程に於ける構造分析を歴史資料等に基づいて実施した。また、2)原子力の容認・推進と反・脱原発という“二項対立”図式を超えるコミュニケーションおよび対話から、合意形成に必要な認識基盤の解明と合意形成のための方法論の開発の端緒に結びつけることができた。成果の発表・公開は、国内の学会での口頭発表を3回、国際会議での口頭発表および論文(査読有り、アーカイブ)1件、和文学術誌への投稿2件を行った。国際会議の論文タイトルは、T. Sawada, "SOCIOLOGICAL ASPECTS OF 3.11 FUKUSHIMA DAIICHI ACCIDENT AFTERMATH AND THE GENSHIRYOKU-MURA (NUCLEAR VILLAGE, OR PRO-NUCLEAR CONCESSION SECTOR)" PBNC2014 (Vancouver, 2014)。学術誌への2件の投稿は、澤田哲生「原子力黎明期における国産原子炉開発構想と湯川秀樹らの関与」日本原子力学会誌, Vol.56, No.9, p. 24-29 (2014)、および「正力大臣車中談(案)と湯川秀樹ー原子力ムラと御用学者のルーツー」 同誌, Vol.56, No.12, p. 26-29 (2014)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、当初予想していなかった歴史情報の“金脈”ともいうべき京大基礎物理学研究所所蔵の『湯川史料』の存在を知るに至った。そこにたどり着くには、京大原子核工学図書の調査と基礎物理学者らとの出会いがあった。この史料を得ることで、上記の成果(論文等)が得られた。その一方、当初から予定している残る旧7帝大系(具体的には北大、東北大、名大、九大である)の原子核・原子力工学系統の発祥の調査(現地へ出向いての文献調査、聞き取り調査など)が後回しになったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
京大・阪大・東大・東工大について、引き続き調査を実施する。未踏査の北大・東北大・名大・九大を調査する。さらに、合意形成論に関しては、現在掴んでいる端緒について論文(ないしは技術報告)をまとめるとともに、合意形成の実践的取り組みを続け、そのなかから合意形成の方法論を打ち立てて行く。
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Causes of Carryover |
本研究では、当初予想していなかった歴史情報の“金脈”ともいうべき京大基礎物理学研究所所蔵の『湯川史料』の存在を知るに至った。2013および2014年度はこの史料の分析に注力した。、上記の成果(論文等)その結果、当初から予定している残る旧7帝大系(具体的には北大、東北大、名大、九大である)の原子核・原子力工学系統の発祥の調査(現地へ出向いての文献調査、聞き取り調査など)が後回しになったため旅費等の支出が遅れた。また、合意形成論に向けては、複数回の討論会・シンポジウムを予定しているが、上記理由の結果、こちらも遅れており謝金等の支出がまだなされていない部分がある。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
1)旅費:九大、名大、東北大、北大への調査出張。国際会議での成果報告出張。2)謝金:討論会・シンポジウムにおける講師謝金等。3)物品:論文レビュー、記録媒体などの消耗品購入。
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Research Products
(4 results)