2014 Fiscal Year Annual Research Report
モリブデンの酸化還元反応における同位体効果と同位体分離に関する基礎研究
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24656567
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 達也 長岡技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70323839)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 同位体効果 / モリブデン同位体 / 同位体分離 / テクネチウム / イオン交換 |
Outline of Annual Research Achievements |
塩酸濃度の異なる溶液中でのクロロ錯体の違いを用いたモリブデンの同位体分別の研究と6価と5価の酸化還元を利用した同位体分別の研究を行った。酸濃度の違いによるモリブデン同位体分別研究では、6価モリブデンを用いてイオン交換クロマトグラフィによる研究を行い、モリブデンの同位体分別を確認すると共に塩酸溶液中でのクロロ錯体の構造を明らかにすると共に同位体分別効果が酸濃度に依存することを明らかにし、クロロ錯体の構造と同位体分別の関係を示唆した。 酸化還元によるモリブデンの同位体分別の研究では、6価モリブデンを陰イオン交換樹脂に吸着させ、吸着させた6価モリブデンを2価のスズで還元させることにより5価に還元すると共に酸化された4価のスズとイオン交換させることにより、モリブデンの酸化還元反応を用いるクロマトグラフィシステムを構築することに成功した。しかしながら、酸化還元による同位体比変動は前述のイオン交換による同位体分別と比べて大きくないという結果を得た。錯形成に由来する同位体交換反応を用いた方が大きな同位体効果が得られることが確認された。同位体比変動があまり大きくなかったことに関しては、5価と6価のモリブデンのクロロ錯体の構造があまり大きく変わらず、その結果錯形成由来の同位体質量効果の差が大きく出なかったことが理由の一つであると推測している。また、クロロ錯体の構造変化が大きくなかったことから樹脂相及び溶液相間に5価と6価の混在もあったと推測している。しかしながら、モリブデンの同位体分別では今までにほとんど行われてこなかった質量数100程度の元素の同位体分別を確認することが出来、また、クロマトグラフィによる同位体分別が。実現できることを証明するという大きな成果を得た。
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Research Products
(1 results)