2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24656575
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
水関 博志 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (00271966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ベロスルドフ ロディオン 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (10396517)
佐原 亮二 独立行政法人物質・材料研究機構, 元素戦略材料センター構造材料ユニット, 組織設計グループ主幹研究員 (30323075)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | クラスレートハイドレート / ガスハイドレート / ガス貯蔵材料 / 第一原理計算 / シミュレーション / 材料設計 / エネルギー貯蔵 / 相図作成 |
Research Abstract |
本研究では各種ハイドレート相が存在可能な温度、圧力領域をシミュレーションで予測し、エネルギー資源の確保と温室効果ガス削減に貢献することを目的にしている。本研究の基盤となる物性は、高精度第一原理計算プログラム(研究代表者グループが独自開発を進めている全電子混合基底法第一原理計算プログラムTOhoku Mixed-Basis Orbitals ab initio program“TOMBO”)により得られるゲスト-ホスト間相互作用である。この計算結果を用いて、広い圧力・温度領域での熱力学的性質と二酸化炭素密度を正確に算定し、二酸化炭素ハイドレートのp-T相図を作成した。このシミュレーションで得られた相図は実験データと比較し、計算手法、精度の検証を行い、プログラム開発へフィードバックさせた。さらに、複雑なゲスト成分のクラスレートハイドレートの形成、安定性の熱力学的条件を決定し、温室効果ガス(GHG)の貯蔵用媒体としてのガスハイドレートの可能性を検証した。すなわち、広範囲の圧力-温度領域にわたり、異なる構造を持つ各種の氷、ハイドレートの構造、力学、熱力学的性質算定のために、我々独自開発した原子レベルに基づく理論モデルによるシミュレーション計算を行った。温室効果ガスクラスレートハイドレートの自己保存効果が利用可能なのかも同時に検証を続けている。提案している計算アプローチにより得られた結果は、クラスレートハイドレート基の温室効果ガス貯蔵材料の実用化に寄与出来る重要な情報である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究では、独自開発の格子力学と熱力学計算手法をハイドレート相に適用し、物理的・化学的性質を正確に求め、広い圧力・温度領域でのハイドレート、氷、水の相変化の境界線を決定した。さらに高性能安定化促進剤の探索、自己保存効果の起源解明を経て、ハイドレートをベースとする二酸化炭素貯留技術のための基盤を構築した。 本研究で開発する計算手法は既知のハイドレート構造の二酸化炭素貯蔵能のみでなく、実験研究では報告されていない未知のハイドレート構造の物性値も求めることができる。新規安定化促進剤の提案により、ハイドレートをベースとする所望の貯蔵能を持つ二酸化炭素貯留材料の実現に向けた研究基盤を確立する。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者グループが独自開発している全電子混合基底法第一原理計算プログラムTOMBOを用いてハイドレート結晶内のゲスト-ゲスト、ゲスト-ホスト間に働く相互作用を正確に算定する。この計算結果を利用した格子力学計算、熱力学計算を組み合わせた計算手法を確立し、各種ガスハイドレート相が安定に存在できる温度・圧力範囲を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
40万円 コンピューター端末(20万円×2台) 40万円 外国旅費 ACCMS-7 40万円 消耗品 バックアップ用ハードディスク3万円×5台 プリンタートナー 3万円×5個 カラー印刷用紙 1万円×10箱 次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり、平成25年度請求額と合わせ、平成25年度の研究遂行に使用する予定である。
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Research Products
(5 results)