2013 Fiscal Year Research-status Report
多孔性配位高分子をホストマトリックスに用いた高性能化学蓄熱材の開発
Project/Area Number |
24656577
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
劉 醇一 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助教 (70376937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 之貴 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 准教授 (20233827)
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Keywords | 化学蓄熱 / 多孔性配位高分子 / 金属塩 |
Research Abstract |
産業排熱の有効利用法の一つとして化学蓄熱が挙げられる.ここで用いられる反応は金属酸化物/水蒸気系や金属塩/水蒸気系等の気固反応であるが,その反応速度が遅いことや,反応転化率が100%に達しない等の問題があり,実用化には至っていない.本研究では,金属酸化物や金属塩等の化学蓄熱用反応物質と多孔性配位高分子(以下PCP)を複合した材料の化学蓄熱への適用を検討する. 平成25年度の研究では,蓄熱材合成時に使用する金属塩水溶液に対する市販のPCP(Al-BDC(MIL-53(Al)),Cu-BTC,Fe-BTC, ZIF-8の4種類)の安定性,合成した材料と水蒸気との反応性について検討した. これらのPCPのうち,ZIF-8を除く3種類は塩化リチウム水溶液,塩化カルシウム水溶液に浸漬することにより構造が破壊したが,ZIF-8の構造破壊は観察されず,化学蓄熱材のホストマトリックスとして適していることがわかった. 次にLiCl/ZIF-8を合成し,試料を熱天秤を用いAr気流下300℃で30分間加熱した後に,110℃,水蒸気分圧57.8kPa(Arバランス)の条件で80分間処理することによって水和反応生成を評価した結果,LiCl/ZIF-8の水和反応挙動は塩化リチウム試薬とは異なり2段階で水和反応が進行することがわかった.これは,塩化リチウムがZIF-8の細孔内に固定化されていることを示唆している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
化学蓄熱材のホストマトリックスとしてZIF-8が適していることがわかった. 今後は,ZIF-8をホストマトリックスとして,種々の金属塩を担持した複合材料を大量に合成し,充填層型反応器を用いた評価を行う.
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Strategy for Future Research Activity |
ZIF-8をホストマトリックスとした化学蓄熱材として,種々の金属塩を担持した複合材料を合成する. 実際に合成した試料について,充填層型反応器を用いて蓄熱・熱出力が可能であるかを検討する. また,金属塩(主に金属ハロゲン化物)をアルカリ処理によって水酸化物とした金属水酸化物/PCP複合材料の合成についても検討する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費の一部として,学内研究費等の予算を使用することができたため,次年度使用額が生じた. 平成25年度の研究費残額と平成26年度分の研究費を,物品費(試薬代,ガラス器具代,ガスボンベ代等),出張旅費(成果発表,情報収集等)に充当する.
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Research Products
(2 results)