2012 Fiscal Year Research-status Report
化合物半導体単結晶基板の作製と高効率太陽電池の開発
Project/Area Number |
24656582
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
吉野 賢二 宮崎大学, 工学部, 准教授 (80284826)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 太陽電池材料 / 化合物半導体 / CIGS / バルク多結晶 / バルク単結晶 |
Research Abstract |
高効率太陽電池として期待されているCuInGaSe2(CIGS)太陽電池は、現在低コスト化を目指す動きは活発だが、高効率化を目指す動きは鈍い。そこで本提案研究では、高効率太陽電池の作製を目指すために、欠陥密度の小さい単結晶基板を作製する技術を開発することである。高効率化だけでなく、従来の薄膜プロセスより、工程数が少なく出来るため低コスト化が期待できる。研究期間内に、単結晶作製のメカニズム(溶媒と原料の拡散メカニズム、点欠陥発生メカニズム)を解明し、欠陥(転位)密度の低い単結晶を作製し、その単結晶基板を用いて太陽電池を作製し、変換効率20%を得ることを目的とし、初年度は、高品質な直径20 mm以上の大型のCIGS多結晶を作製する。 融点以下の低温で高品質な直径20 mm以上の大型のCIGS多結晶を作製することに成功している。これは、Cu2Se, In2Se3, Ga2Se3の2元系化合物を利用や圧力を利用した固相反応によるものである。セレンの蒸発を防ぎ、p型伝導を示した。一般的にn型ができやすい。元素の組成もほぼ化学量論組成であり、粒径は、数百nmサイズで、良質な結晶が得られた。 並行して単結晶の作製にも取り組み、直径15mmの作製に成功した。次年度の目標である、20mm以上に電気炉の改良を含めて実験を行う。また、伝導型の制御を行うための組成変化特にCu-poorを行い、p型伝導wが得られた。次年度では、アクセピター性不純物を添加し、制御を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
高効率太陽電池として期待されているCuInGaSe2(CIGS)の多結晶原料を作製する場合、金属を利用するとCuとSeが反応する際に、莫大なエネルギーが発生する。このため石英管等のアンプルの爆発が生じ、結晶が生成できず、器具も破損してしまう。そのため、精密な温度制御(時間)が必要である。本研究において、Cu2Se, In2Se3, Ga2Se3の2元系化合物を利用や圧力を利用することで、このエネルギー発生を抑制することが可能になった。 これらの研究の内容を、一部特許申請を行うことができ、さらに、次年度の研究内容も徐々に開始をしており、本研究課題は、当初の計画以上に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目は、当初の計画通り、単結晶作製および伝導性の制御を行う。特に、大口径の単結晶を行う場合、水平方向の温度制御が重要になるため、電気炉の温度を制御するための装置の改良を行う。さらに、伝導性の制御は、化学量論組成(特にCu)を制御したり、アクセプター性不純物(たとえばVb族)を添加することで行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(2 results)