2012 Fiscal Year Research-status Report
GenBankデータに基づく全球スケールでの微生物多様性分布の解明
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24657012
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
村上 正志 千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (50312400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 学 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (60305414)
平尾 聡秀 東京大学, 農学生命科学研究科, 講師 (90598210)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | Genbank / メタ解析 / 土壌微生物 / 雪氷微生物 / 水界微生物 |
Research Abstract |
本計画では、微生物に関する、既存の膨大なデータベース上の塩基配列情報を用いて、地球規模での群集の構造化に関して解析を行うことを目的としている。現状において、個別の努力で配列を解読する作業はこれらのデータベースの存在から考えて、ほぼ無意味であり、これらの情報をいかに活用し、さらに、そこで不足する情報を確認し補完することが重要である。本年度は、これらを考慮して、以下の3つの項目について、計画を進めている。 1.水界微生物群集について、全地球規模でのデータ探索 2.土壌微生物における、標高経度に沿った組成変化のT-RFLPによる解析 3.雪氷微生物(藻類)群集における、日本列島スケールでの系統生物地理、およびデータベースによる、全球規模でのデータ収集 これらについては、それぞれ、データの収集を順調に進めた。ここでは、それぞれ収集したデータに対して、その場の環境および地理的な位置が、群集構造にどのような影響を与えるかを検討している。これらの結果、微生物のような分散が容易と考えられる生物においても、比較的追良い分散の制限が見られることが一般的な事象として現れている。 今後は、これらのデータを元に、解析を進めて、論文を作成することを課題とする。特に、上記の3番目の課題について、既存の配列情報と独自のデータを組み合わせて、微生物の群集集合についての一般的な理解に貢献する様なモデルケースとして、詳細に検討していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題について、それぞれのテーマに関して、学会およびいくつかの研究集会において、成果を報告している。GenBankからのデータの収集は順調に進展しており、既に、論文としてまとめることが出来るだけのデータを収集している。ただし、今後、これらの大量のデータを解析し、群集構造とその機能を説明するモデルの構築を進めることが課題である。現在、この課題については、まだ、決定的な成果(モデル)を見いだしていないので、今年度この課題を克服することが、本課題の成功のカギとなる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、最終年度であるので、研究成果を論文として発表することを進める。 具体的には、1.土壌微生物における、標高経度に沿った組成変化、2.雪氷微生物(藻類)群集における、日本列島スケールでの系統生物地理 については、次年度中に国際学術誌に論文を投稿する。 そのために、それぞれ、群集間の生息環境の変異と、機能の変異の対応について、また、微生物個体群の遺伝構造について、解析を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
期間の最後に、少額の経費が残ったので、帳尻を合わせることはせず、次年度の経費と併せて使うことにした。残額はわずかであるので、次年度計画を進める中で、消化する予定である。 次年度は、これまでのデータベース探索で十分ではないサンプルについて、解析を進めるために、実験のための経費として研究費を使用する。また、分担者との意見交換のために、旅費を用いる予定である。
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Research Products
(1 results)