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2014 Fiscal Year Research-status Report

地下性甲虫の飼育法検討及び昆虫-微生物相互作用に関する基礎研究

Research Project

Project/Area Number 24657017
Research InstitutionShimane University

Principal Investigator

新部 一太郎  島根大学, 生物資源科学部, 研究員 (10613961)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2016-03-31
Keywords地下性甲虫 / 昆虫微生物相互作用 / 抗生物質 / 個体群生態学
Outline of Annual Research Achievements

H26年度も微生物学的な側面と甲虫の飼育・繁殖条件の検討の両面から課題に取り組んだ。
Trechiama yokoyamaiの死亡率低下に関与していると思われる微生物あるいはその代謝物の分離同定のため、野外生息地(洞窟)の微生物群集の中でバイオマスの多い種を単離同定することを前年度に引き続き試みた。培地組成に腐植成分を加え貧栄養に調整して数ヶ月の培養をすることで数種の放線菌を単離培養することには成功したが、PCR-DGGE法でメジャーバンドを示す種とは一致しなかった。これまでの結果から従来的な概念では単離培養は難しいと判断し、野外コロニーを大量に収集して有効な代謝物(抗生物質等)を抽出、質量分析によってプロファイリングする手法に切り替えた。しかしながら目的とする代謝物の特性が未知であり、一般的な生体成分の精製方法で調整したサンプルのLC-MSから得られたスペクトラムは有効な手がかりを示さなかった。
飼育試験では環境の操作によって当初の予測を超えて1年以上の飼育が可能であることが示され、その環境条件のもとで繁殖試験を行う段階へと移行した。H26年10月にサンプリングした個体を飼育下に置き、任意のタイミングで交尾させたのちにあるものは生息地の気温を模した環境に、あるものは5℃、10℃の低温刺激にさらし、その後通常環境に戻して産卵行動が見られるかどうかをビデオ解析によって追跡した。これまでに明らかな産卵行動は発見されていないが、野外個体群では春にメス個体の分散が見られることから5月中旬まで観察を続けたのちに解剖して卵巣の発育状況を確認する。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

今年度の実績で述べたとおり、飼育試験が予想以上に長期間に及んだため、その後のスケジュールも全体に遅れている。特に飼育環境下での繁殖に関する試験は交尾後の卵巣発育を促す刺激が明らかでは無いため、野外生息地の条件から推測された低温刺激による発育促進を試みているが、これが妥当でなければ野外個体群の産卵時期と思われる春まで卵巣発育と産卵が起こらない可能性もあり、検証が次年度にずれ込んでいる。加えて、微生物側からのアプローチについても目的の種に近縁な放線菌を分離するために数ヶ月の培養が必要なことから短期間で効率よく検証を重ねることができていない。しかしながら当初計画でもっとも重要なことは飼育試験が可能な条件を探ることと飼育下で繁殖個体を得ることであったことから、目的の半分はすでに達成している。

Strategy for Future Research Activity

最終年度は予算的にも限りがあるため、微生物側からのアプローチについては既知の抗生物質による選択培養による単離を試みることのみに集約する。
Trechiama yokoyamaiの生存に有効な代謝物の特定については長期間の飼育が可能な環境とそうでない環境から成分抽出を行い、LC-MSスペクトラムを得て差分解析によって有効成分を探索する。また、前年度に野外の放線菌コロニーから抽出生成した成分のLC-MSスペクトラムと比較して、野外にも同様の成分が見られないかどうかを検証する。
飼育試験のほうは5月半ばで1回目の繁殖試験を終え、9-10月にサンプリングした個体を使用して2回目の繁殖試験を行う。こちらは春まで結果を待たずに卵巣発育刺激後2ヶ月程度で解剖して卵巣発育を確認する。

Causes of Carryover

研究実績と達成度に記述したとおり、研究期間が当初計画よりも長くなっており、補助事業の延長申請をした。それに伴って次年度に延長された分の研究内容に充てる使用額が残額として生じている。

Expenditure Plan for Carryover Budget

当初計画のH26年度分のうちH27年度に延長している部分と本報告の今後の推進方策に記したH27年度の研究計画に従って使用する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2014

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] タイシャクナガチビゴミムシTrechiama yokoyamaiの飼育系に対する抗生物質等の影響2014

    • Author(s)
      新部一太郎
    • Organizer
      日本洞窟学会
    • Place of Presentation
      長崎県西海市西海公民館
    • Year and Date
      2014-09-05 – 2014-09-06

URL: 

Published: 2016-06-03  

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