2012 Fiscal Year Research-status Report
生殖細胞解析のための遺伝子改変ミジンコの作製とモデル化
Project/Area Number |
24657022
|
Research Institution | 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設) |
Principal Investigator |
井口 泰泉 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 岡﨑統合バイオサイエンスセンター, 教授 (90128588)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 性決定 / 生殖細胞 / 環境応答 / 甲殻類 |
Research Abstract |
ミジンコは通常雌が雌を産む単為生殖により繁殖するが、環境条件が悪化すると雄を産出し有性生殖をおこなう。この環境に依存した雄産出の過程では、環境シグナルの下流で内分泌系や性分化に関わる因子が働くことが予想されているが、詳細なメカニズムはほとんどわかっていない。本研究は「環境要因から性が決まるまでの一連の遺伝子カスケード」を明らかにすることを目指し、生殖細胞特異的ラベル化トランスジェニックミジンコの作出によるゲノミクス研究の基盤整備を目的としている。 ミジンコは環境ストレスを単為生殖メスに与えることで、一定の割合でオスを産むことが知られている。しかしながら研究室内で、環境パロメーター変化によって安定的に性比をコントロールすることは難しい。トランスジェニック解析を今後していくためには、そのような性比をコントロールし、雄と雌を交配させ、子孫を得ることが不可欠である。われわれはミジンコの一つの種が単一パロメータ変化により安定的には雄を産み出す条件を見出すことに成功した。この条件下で飼育したミジンコからRNAを抽出し、雄を産むミジンコおよび雌を産むミジンコの網羅的遺伝子解析のための準備を行っており、RNA-seq法による解析を行う予定である。すでにその解析のためのライブラリーを作製している。 さらにこのミジンコ種から、EF-1a遺伝子のゲノムDNAを単離し、その遺伝子本体を蛍光タンパク質に置換したコンストラクトを作製した。現在マイクロインジェクションによるトランスジェニックミジンコ作出をおこなっている。1世代目では蛍光がモザイク状に観察されたが、現在のところライン化には至っていない。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
トランスジェニックミジンコのライン化には至っていないが、コンストラクトに問題はないことは確認できている。また、天然雄・雌の誘導条件も決定できており、遺伝子解析実験も既にはじめていることから、研究の達成度は概ね順調であると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
トランスジェニックミジンコのライン化のために、ライン化を急ぐ。遺伝子解析については、RNA-seq解析を行行う準備等の状況が整ってきたことから、マイクロアレイではなく、次世代シークエンサーによる解析をおこなう。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
|
Research Products
(7 results)