2012 Fiscal Year Research-status Report
深海化学合成生物の長期飼育技術に関する研究:サンプリング依存研究からの脱却
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24657023
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
小西 正朗 北見工業大学, 工学部, 助教 (90533860)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 深海 / 化学合成生態系 / 共生菌 / 硫黄酸化細菌 / 飼育 / 培養 |
Research Abstract |
沖縄トラフで採取したゴエモンコシオリエビShinkaia crosnieriを人工的に硫化水素を添加した環境で長期飼育し、外部共生菌の挙動について検討した。飼育後リアルタイムPCR法により外部共生菌の量を測定した結果、硫化水素を添加した場合、添加しない場合と比べて、明らかに外部共生菌を多く保持していることがわかった。Shinkaia crosnieriの外部共生菌叢は飼育環境により変化した。面白いことにOsedaxの内部共生菌に近縁の菌など多彩な菌のDNAクローンが検出された。また、水槽中に深海の化学合成生態系内でしばしば検出されるEpsironproteobacteriaを主体とするバクテリアマットが形成された。開発した硫化水素添加が可能な水槽システムは深海の化学合成生態系の水生生物の長期飼育に適していることが示唆された。さらにエラ細胞内に硫黄酸化細菌を保有するシチヨウシンカイヒバリガイやシマイシロウリガイを採取し人工環境下での飼育を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
予定していたシロウリガイ類のみならず、硫黄酸化細菌を保有する種々の深海生物の長期飼育の可能性を示すことができたため、研究が計画以上に進捗した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究船「なつしま」とROV「ハイパードルフィン」を用いて、相模湾初島沖のシロウリガイコロニー周辺の化学分析を行いシロウリガイ類の生育環境データを収集し、飼育実験へ情報をフィードバックすることにより、シロウリガイ類の長期飼育を実現する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
調査研究のための旅費ならびに飼育個体の分析に関する消耗品等の購入を予定している。
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Research Products
(4 results)