2012 Fiscal Year Research-status Report
基部陸上植物のモデル植物としての苔類ゼニゴケの高度利用化のためのアトラス作成
Project/Area Number |
24657031
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
荒木 崇 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (00273433)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 基部陸上植物 / モデル植物 / ゼニゴケ / 発生 / 形態 / 生殖器官分化 / 遺伝子発現パターン / アトラス |
Research Abstract |
(1) 生殖器および胞子体において組織・細胞を識別するためのマーカー系統の確立、(2) 生殖器および胞子体において組織・細胞特異的な発現を示す遺伝子の探索、(3) 頂端細胞あるいは気室特異的なマーカー系統の確立、の3つを中心に進める予定であったが、(1) と(2) には着手することができたが、(3)は未着手のままにとどまった。(7) 生殖器托を中心にした発生過程の形態学的な観察と記載の一部にも着手した。 (1)と(2)および(7)に関しては、雄性生殖器官(雄器床)、雌性生殖器官(雌器床)、胞子体の発生過程を、それぞれをわかりやすい外部形態の指標にしてステージ分けした。これに基づいて、RNAサンプルを取得し、いくつかの遺伝子をテストケースとして、発生過程における発現プロファイルの解析をおこなった。今後、3つの器官の特定のステージで優先的に発現している遺伝子を、特定の蛋白質(例えば、転写因子、蛋白質キナーゼ)の遺伝子の中から選抜し、発現パターンの詳細な解析に供する際に、有用となると期待できる。 (2)に関しては、クラミドモナスの知見とヒメツリガネゴケのゲノム情報のアノテーションを参考にして、造精器の精原細胞で特異的に発現すると予想される鞭毛関連遺伝子を、ゼニゴケ・ゲノムのドラフト・シークエンスから抽出することを試み、約80遺伝子を得た。そのうちの約半数については、発生後期における雄性生殖器官(雄器床)で特異的に発現していることを確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた主要な3つの課題のうち、頂端細胞あるいは気室特異的なマーカー系統の確立については着手することができなかったものの、着手した部分については大きく進展した内容があり、また、一部の課題に前倒しで着手することができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
初年度に主に進めることができた(1)生殖器および胞子体において組織・細胞を識別するためのマーカー系統の確立、 と(2) 生殖器および胞子体において組織・細胞特異的な発現を示す遺伝子の探索、(7) 生殖器托を中心にした発生過程の形態学的な観察と記載、の3つを中心に研究を進める。(4) 組織・細胞特異的な活性をもつプロモーター・コレクションの構築、(6) オルガネラや細胞区画を識別するためのマーカー系統の確立にも着手する。 当初の7つの研究計画のうち、初年度に着手できなかった(3) 頂端細胞あるいは気室特異的なマーカー系統の確立と、平成25年度中に予想される研究室の体制の変化により推敲が難しくなることが予想される(5) miRNA活性のレポーター系統の確立に関しては、研究全体の進捗状況や大きく展開できる方向の見通しなどを見ながら、着手の可否・タイミングを判断することにしたい。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費に加え、研究補助員の雇用の為に人件費を支出する。これにより、研究計画に速やかな遂行を図る。
|
Research Products
(9 results)