2013 Fiscal Year Annual Research Report
受容体複合体再構築系を用いたホルモン輸送体のスクリーニング
Project/Area Number |
24657040
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
瀬尾 光範 独立行政法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, ユニットリーダー (00512435)
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Keywords | 植物ホルモン / 輸送体 |
Research Abstract |
本年度は昨年に引き続き、ジベレリン(GA)排出輸送体のスクリーニングをおこなった。GA受容体GID1aとDELLAタンパク質であるGAIのGA依存的な相互作用を検出する酵母two-hybrid系において、通常両者の相互作用を誘導できる1uMのGAを含む培地上で、酵母の生育を阻害するシロイヌナズナcDNAクローンの選抜をおこなった。昨年度から引き続き、合計で12,000クローンについて選抜をおこない、二次選抜を経て72の陽性クローンを得た。シークエンスの結果、明らかに輸送体としての機能が予想される既知のタンパク質をコードする遺伝子が1種、それ以外に膜局在が予想されるタンパク質をコードする遺伝子が10種類存在した。これらについて、新たにcDNAを酵母発現ベクターに組み込み、GID1aおよびGAIのGA依存的な相互作用に対する影響を検討したが、期待される阻害効果は確認できなかった。 また、ジャスモン酸(ジャスモノイルイソロイシン;JA-Ile)について、COI1受容体とJAZタンパク質の相互作用を検出する酵母two-hybrid系の作成をあらためておこなった。昨年度、COI1とJAZ1のJA-Ile依存的な相互作用が通常の酵母two-hybrid系で確認できなかったことから、酵母内でJAZ1がCOI1依存的にプロテアソームによる分解を受ける可能性を考えた。このため、COI1のタンパク質分解に関与する部位を欠いた部分配列や変異を導入したCOI1タンパク質を作成したが、JA-Ile依存的なJAZ1との相互作用は確認できなかった。さらにCOI1に対して、JAZ1の代わりにJAZ3およびJAZ10を用いたところ、JAZ3に関してはJA-Ile依存的な相互作用が確認できた。これにより、JA-Ile輸送体のスクリーニングが可能になった。
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