2012 Fiscal Year Research-status Report
植物の環境ストレス応答に関与する新規なsiRNAパスウェイの同定
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24657041
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
関 原明 独立行政法人理化学研究所, 植物ゲノム発現研究チーム, チームリーダー (80281624)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 植物 / 環境ストレス応答 / 遺伝子 / RNA制御 / アンチセンスRNA |
Research Abstract |
本申請代表者らのグループは、環境ストレスにより発現誘導され、かつ、センス鎖RNAと共発現するアンチセンスRNAの解析を続けている。最近、上記アンチセンスRNAは、タンパク質をコードする領域からRNA依存性RNAポリメラーゼ(RDR)により生成し、細胞内でセンス鎖RNAと2本鎖RNAを生成することを見出した。本研究では、上記アンチセンスRNAの生成経路がsmall RNAの生成経路と直接リンクしているかどうか解析した。 具体的には、rdr1/2/6の3重変異体と野生型から17-30塩基のsmall RNA画分を抽出し、次世代シーケンサーを用いて解析した。Small RNAをゲノム上にマップしたところ、タンパク質をコードする発現遺伝子領域にもmRNAの分解産物と考えられる低分子RNAが存在していた。そこで、野生型とrdr1/2/6の3重変異体を比較して変異体でsmall RNAの蓄積量が減少する領域をRDR1/2/6依存性のsmall RNA生成領域とみなした。その結果、意外にもRDR1/2/6に依存してアンチセンスRNAが生成する領域とRDR1/2/6依存性のsmall RNA生成領域はほとんど一致しなかった。アンチセンスRNAは主にタンパク質をコードする遺伝子領域から生成しているのに対して、small RNAは主にトランスポゾン領域から生成していた。以上の結果から、RDR1/2/6はこれまで報告済みのsmall RNA生成経路とは異なる新規な経路で、センス鎖RNAを鋳型にして環境ストレス誘導性のアンチセンスRNAを生成している事が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、本申請代表者らのグループが同定した環境ストレス応答性のアンチセンスRNA(センス鎖RNAと共発現する)の生成経路がsmall RNAの生成経路と直接リンクしているかどうかを解析する事である。本申請代表者らのグループは、上記アンチセンスRNAの生成にRNA-dependent RNA polymerase (RDR)が関与する事を見出している。本研究課題の実施により、次世代シーケンサーを用いた解析から、RDR1/2/6はこれまで報告済みのsmall RNA生成経路とは異なる新規な経路で、センス鎖RNAを鋳型して環境ストレス誘導性のアンチセンスRNAを生成していることを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
本申請代表者らのグループは、環境ストレス条件下でセンス鎖RNAを鋳型にしてRDRによりアンチセンスRNAが生成する事を見出している。しかしながら、上記アンチセンスRNAの環境ストレス応答、耐性における機能は不明なままであり、今後関与する因子の変異体を用いて環境ストレス条件下での表現型解析を行う予定である。また、アンチセンスRNAの生成には他の因子も関与する可能性が考えられ、それら因子の同定および機能解析も進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次世代シーケンサーを用いたRNA-seq解析から得られたデータに関して、Real-time RT-PCRによる確認実験を行う。
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Research Products
(14 results)
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[Presentation] Novel antisense RNA and epigenetic regulation in plant abiotic stress responses2013
Author(s)
Matsui, A., Kim, J.M., Kim To, T., Iida, K., Tanaka, M., Ishida, J., Morosawa, T., Toyoda, T. and Seki, M.
Organizer
Abiotic Stress Workshop, Plant & Animal Genome ASIA 2013
Place of Presentation
Singapore
Year and Date
2013-03-18
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[Presentation] Novel non-coding antisense RNA regulation in plant abiotic stress responses2012
Author(s)
Matsui, A., Iida, K., Tanaka, M., Ishida, J., Morosawa, T., Toyoda, T. and Seki, M.
Organizer
Cold Spring Harbor Conferences Asia, Plany Epigenetics, Stress and Evolution
Place of Presentation
Suzhou, China
Year and Date
20121029-1102
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[Presentation] Stress-inducible non-coding antisense RNAs are generated by RDR-mediated RNA dopying mechanism and function in the turnover of the sense mRNAs under abiotic stress2012
Author(s)
Matsui, A., Iida, K., Yamaguchi, K., Tanaka, M., Ishida, J., Morosawa, T., Kim, J.-M., Shigenobu, S., Shinozaki, K., Toyoda, T. and Seki, M.
Organizer
International Plant RNA Workshop 2012
Place of Presentation
Vienna, Austria
Year and Date
20120708-09
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