2013 Fiscal Year Annual Research Report
植物の環境ストレス応答に関与する新規なsiRNAパスウェイの同定
Project/Area Number |
24657041
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
関 原明 独立行政法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, チームリーダー (80281624)
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Keywords | 植物 / ストレス / 発現制御 / 遺伝子 |
Research Abstract |
本申請代表者らのグループは、環境ストレスにより発現誘導され、かつ、センス鎖RNAと共発現するアンチセンスRNAの解析を続けている。最近、上記アンチセンスRNAは、タンパク質をコードする領域からRNA依存性RNAポリメラーゼ(RDR)により生成し、細胞内でセンス鎖RNAと2本鎖RNAを生成することを見出した。本研究では、上記アンチセンスRNAの生成経路がsmall RNAの生成経路と直接リンクしているかどうか解析した。 具体的には、rdr1/2/6の3重変異体と野生型から17-30塩基のsmall RNA画分を抽出し、次世代シーケンサーを用いて解析した。Small RNAをゲノム上にマップしたところ、タンパク質をコードする発現遺伝子領域にもmRNAの分解産物と考えられる低分子RNAが存在していた。そこで、野生型とrdr1/2/6の3重変異体を比較して変異体でsmall RNAの蓄積量が減少する領域をRDR1/2/6依存性のsmall RNA生成領域とみなした。その結果、意外にもRDR1/2/6に依存してアンチセンスRNAが生成する領域とRDR1/2/6依存性のsmall RNA生成領域はほとんど一致しなかった。アンチセンスRNAは主にタンパク質をコードする遺伝子領域から生成しているのに対して、small RNAは主にトランスポゾン領域から生成していた。以上の結果から、RDR1/2/6はこれまで報告済みのsmall RNA生成経路とは異なる新規な経路で、センス鎖RNAを鋳型にして環境ストレス誘導性のアンチセンスRNAを生成している事が明らかとなった。上記の研究成果をまとめて原著論文として投稿する予定である。
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