2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24657051
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
尾田 正二 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (50266714)
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Keywords | 自律神経 / 瞳孔 / メダカ / 硬骨魚類 |
Research Abstract |
哺乳類をはじめほとんど全ての脊椎動物では瞳孔の大きさの制御は自律神経の支配下にあり、ヒトでは交感神経が優位になると散瞳が、副交感神経が優位になると縮瞳が惹起される。硬骨魚類においては、自律神経が存在するにもかかわらず古くより瞳孔の大きさは変化しないとされてきた。 本研究では硬骨魚類であるメダカ(Oryzias latipes)の瞳孔の大きさ変動の有無を検証した。家庭用ハイビジョンビデオカメラに専用マクロレンズを装着してメダカ成魚の横顔を拡大撮影し、映像中のメダカの瞳孔の面積変化を画像解析アプリケーションを用いて数値化して瞳孔の大きさの変化を詳細に解析した。LED懐中電灯を用いて強い光をメダカに照射すると、一過的な縮瞳が誘発されることが確認され、メダカの瞳孔がその大きさを変化し得ることを見出した。 さらに、副交感神経作動薬(アセチルコリン)、交感神経遮断薬(タムスロシン)を投与したメダカにおいては縮瞳が誘発され、ヒトと同様に副交感神経が優位になると縮瞳が惹起されることが強く示唆された。一方、副交感神経遮断薬(アトロピン)、交感神経作動薬(フェニレフリン)の投与では予想に反して散瞳が誘発されなかった。本研究で採用した撮影条件下においては、緊張する等の理由によってもともとメダカが交感神経優位な状態になっているために交感神経を優位にする副交感神経遮断薬、交感神経作動薬の薬効が発現しない、すなわち、撮影条件下ではメダカ成魚がひどく緊張していたことが強く示唆された。 メダカの瞳孔の変動解析より、当該個体の緊張状態を知る方法論を確立することが本研究の目的であったが、それを100%達成することができたと考えられる。
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Research Products
(1 results)