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2012 Fiscal Year Research-status Report

風穴植物の系統地理学-低地に氷河期の足跡を探る

Research Project

Project/Area Number 24657059
Research Category

Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research

Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

牧 雅之  東北大学, 学術資源研究公開センター, 教授 (60263985)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 山城 考  徳島大学, 総合科学部, 准教授 (50380126)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords遺伝的多様性
Research Abstract

風穴植物は,風穴から流れ出る冷やされた空気のために,低地でありながら,本来は本州の亜高山や北海道などの寒冷地に隔離して分布する植物である.これらの植物は,最終氷期において日本列島が現在よりも冷涼な環境であった際に広く分布していて,その後の温暖化に伴って,風穴付近に取り残された植物であると考えられる.本課題では,「現在の風穴地は,亜高山植物および寒冷地植物のレフュージアになっている」という前提のもとに,風穴集団・本州亜高山集団・北海道集団の遺伝的分化,遺伝的多様性について分子系統地理学的解析を行い,風穴集団のレフュージアとしての特性を明らかにする.
本年度は、ウサギシダ、エゾヒョウタンボク、エゾメシダの3種を解析対象種として、東北地方の複数の風穴周辺地からサンプリングを行った。これらは風穴植物として代表的な種ではあるが、必ずしもすべての風穴植生からサンプリングできたわけではなく、これらのうちの1種もしくは2種が1つの風穴付近で見られることが多かった。おおよそ1集団から20個体以上をサンプリングし(それよりも少ないときは見られる個体全てをサンプリングした)、実験室に持ち帰った。
風穴そのものが隔離的に分布するため,これらの植物は遺伝的に隔離されている可能性が高い.そこで、葉緑体DNA変異の分布から集団の隔離を検討するために、複数の遺伝子間領域を決定した。現時点はサンプリング地点があまり多くないためにどの程度の隔離が見られるかについては明確ではない。今後、さらにサンプリング地点を増やして、同様のデータを収集する必要がある。
また、より詳細なデータを収集するために、ウサギシダから核マイクロサテライト領域の単離を試みた。現在、これらの領域が集団遺伝学的解析に用いることができるようにプライマー設計を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本年度は、4月に現職に異動になり、年度の始め数ヶ月を実験室や研究室のセットアップに費やさざるを得ず、研究に着手するのが若干遅れた。現在は、課題を遂行するうえで支障になる点は解決されているので、今年度以降は計画通りに研究を遂行できる予定である。

Strategy for Future Research Activity

本年度は、この課題の遂行期間3年のうち2年目である。サンプリングは本州の集団においては比較的多くカバーできているので、北海道集団でのサンプルリングを加え、分子遺伝学的解析をスピードアップさせて、計画通りの達成度へ到達させる予定である。また、共同研究者との連絡を密に取り、研究の効率化を図りたい。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度使用額は、当初計画していた北海道のサンプリングと分子遺伝学的解析の一部を次年度に延期したことによって生じたものであり、追加のサンプリングと分子遺伝学的解析に必要な経費として平成25年度請求額と合わせて使用する予定である。

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Published: 2014-07-24  

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