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2013 Fiscal Year Annual Research Report

モンゴル西部の湖沼における湖岸性昆虫群集の起源

Research Project

Project/Area Number 24657062
Research InstitutionKagoshima University

Principal Investigator

山根 正氣  鹿児島大学, 理工学研究科, 教授 (30145453)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 坂巻 祥孝  鹿児島大学, 農学部, 准教授 (20315401)
杉山 裕子  兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (40305694)
佐藤 正典  鹿児島大学, 理工学研究科, 教授 (80162478)
Keywordsハマハシリバエ / モンゴル / 内陸湖 / 湖岸の昆虫相 / 砂浜 / 形態形質 / CO1領域 / バイカル湖
Research Abstract

平成25年度:バイカル湖東岸の砂浜を中心に8箇所でハマハシリバエ属の生息調査を行った。漂着物が帯状に堆積し本属の生息に適した砂浜があったが,生息は確認されなかった。さらにバイカル湖東方のの塩水湖ボリショイアルジンスコエ湖も調査したが,発見できなかった。バイカル湖西岸や南岸の調査は時間の都合でできなかった。
全体を通しての結果:平成24年度にはモンゴル西部の2つの湖(小ハルウス湖とハル湖)で本属の1種の♂♀成虫を多数採集した。これにより,本格的な内陸湖に本属が生息することが世界で始めて確認された。水質分析の結果小ハルウス湖は塩水湖でハル湖は淡水湖であることがわかったが,両者はともに微細な砂からなる湖岸をもつ。2つの集団間で,形態形質の差異は軽微であった。詳細な形態観察の結果,本種がごく最近黒海北岸から記載された種に酷似することが判明した。
東アジア産のハマハシリバエ属5種と本研究で得られたモンゴル産の2集団を,ミトコンドリアCO1領域の547bpについて解析したところ,3つの解析方法(NJ, ML, UPGMA)では異なる樹形図が得られた。しかしいずれの解析でも,モンゴル産が他の5種と明確に識別され,モンゴル産の2集団間では差が全く見られなかった。UPGMA方で描かれた樹形図から,最近縁の2種と分岐した年代は中新世末から鮮新世にかけての220-920万年前と推定された。
以上の点から,本種はモンゴル西部の太古の海からの生き残りとは考えづらい。また,バイカル湖畔に残存していた海浜性種が移動してきた可能性も低い。地質年代的には比較的最近,黒海方面から渡り鳥によって運ばれた可能性が指摘される。この仮説は,内陸湖の湖岸の昆虫相成立にたいして,きわめて重要な示唆を与える。黒海における本属の発見により,すでに完成していた論文原稿の全面書き直しが必要となり,現在作業を進めている。

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Published: 2015-05-28  

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