2013 Fiscal Year Annual Research Report
次世代型分子系統解析の標準手法の開発:急速な適応放散史の可視化に向けて
Project/Area Number |
24657065
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
奥山 雄大 独立行政法人国立科学博物館, 植物研究部, 研究員 (40522529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田邉 晶史 独立行政法人水産総合研究センター, その他部局等, 研究員 (40549044)
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Keywords | 次世代シーケンサー / RAD-seq / テルペン合成酵素遺伝子 / 分子系統樹 / チャルメルソウ / カンアオイ |
Research Abstract |
本研究は、急速に種分化を遂げているため従来法では系統解析が困難な種群で、系統推定を可能とする標準手法を確立することを目標とする。すでに系統解析の実績が十分にあり、結果を評価しやすいチャルメルソウ属および、日本列島で顕著な種分化を遂げているカンアオイ属を材料として用いた。 当初RADタグ法を検討したが、異なる反復の間で得られる配列(遺伝子座)の再現性が乏しく、結果として従来法の精度を大きく上回るようなデータ量を得ることができなかった。いくつかの条件検討を試みたが、これはGS Juniorの能力の限界によると判断した。そこでよりデータ出力量の大きいIllumina社のシーケンサーを用いる手法に切り替え、京都大学生態学研究センター永野淳氏との共同研究を行った。チャルメルソウ類については14種140個体、カンアオイ類については58種96個体についてDNAサンプルを調整し、ペアドエンド法による両端各100塩基対の配列決定を試みた。平成25年12月にサンプルを送付し、ライブラリの調整は完了し、現在は解析結果待ちである。 一方、これとは別にGS Juniorの能力でも可能な手法をあらためて検討した。その結果、花の発現遺伝子を網羅的に読むRNA-seqの手法により、種分化に関係する少数の遺伝子を絞り込むことに成功した。この遺伝子配列をもとにチャルメルソウ属の系統解析を行ったところ、従来の遺伝子領域では解像度が得られなかった極めて近縁な4種について、種の境界を正確に反映した系統関係が得られた。これは本種群が花の匂いが介在する種分化を遂げているためと考えられる。したがって、同様の進化メカニズムをもつ植物群にも手法が応用できると期待される。 このように、本プロジェクトによって2つの方向から次世代シーケンサーを用いた進化系統解析の手法が考案、実行でき、大きな成果が得られた。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] The rice resistance protein pair RGA4/RGA5 recognizes the Magnaporthe oryzae effectors AVR-Pia and AVR1-CO39 by direct binding.2013
Author(s)
Stella Cesari, Gaetan Thilliez, Cecile Ribot, Veronique Chalvon, Corinne Michel, Alain Jauneau, Susana Rivas, Ludovic Alaux, Hiroyuki Kanzaki, Yudai Okuyama, Jean-Benoit Morel, Elisabeth Fournier, Didier Tharreau, Ryohei Terauchi, Thomas Kroj
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Journal Title
The Plant Cell.
Volume: 25
Pages: 1463-1481
Peer Reviewed
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