2012 Fiscal Year Research-status Report
二次元有機-無機ハイブリッド複合体空間を用いた新規結晶化法
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24657068
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
姚 閔 北海道大学, 先端生命科学研究科(研究院), 教授 (40311518)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | タンパク質結晶化 / 二次元分子空間 / 結晶化 / CPAPhS / 構造解析 / 二次元分子材料 |
Research Abstract |
蛋白質X線結晶構造解析は原子レベルで生命現象を解明するための圧倒的に優れた手法であるが,適用するためには良質の結晶が必要であり,「結晶化過程」が越えなければならない大きな壁として立ちはだかっている.現在でも,解析に適した高品質の結晶を得るための方法論は確立しておらず,結晶化試薬や,結晶の成長環境の網羅的な探索による偶然的な方法に依存しているのが現状である.そのため,多数の,原子レベルで説明されるべき生命現象や,魅力的な創薬ターゲット蛋白質が,単に結晶作成が困難であるという理由で放置されているのが現状である.本研究では,規則的な機能性有機-無機ハイブリッド複合体を持つ二次元分子材料にターゲット蛋白質をリンクすることによって蛋白質結晶核形成を促進するための技術を確立し,これを利用した全く新しい蛋白質結晶化法の開発を行う. 本年度では,開発を進めるために,室温条件で結晶化を試すモデル蛋白質として,室温条件で結晶化しやすい蛋白質LysozymeやMBPを避けて,結晶化しないTrypsinを選択し,二次元分子材料による結晶化方法を試みた.まず,外部研究協力者が合成していた規則的な二次元分子材料である機能性有機-無機ハイブリッド複合体carboxylpropylamidephenylsilica(CPAPhS)を室温の条件でモデル蛋白質とリンク反応をさせ,結晶化用の種を作成した.その結晶化種を用いて結晶化のスクリーニング(96*4条件)を行った結果,初期結晶を得ることができ,その結晶化の再現性も確認できた.得られた結晶をIn-house X線回折装置を使って照射したところ,約3Å分解能の反射を得ることができた.このことから,CPAPhSが結晶化を促進する効果があると言え,CPAPhSの有用性が期待できる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は,規則的な機能性有機-無機ハイブリッド複合体を持つ二次元分子材料CPAPhSにターゲット蛋白質を結合し,化学材料を用いた蛋白質結晶化の新規技術の開発である.本年度では,CPAPhSによりモデル蛋白質の結晶を得ることができたので,CPAPhSの結晶化促進効果が示され,計画の通りに着実に研究を進めている.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究から,CPAPhSのの結晶化促進効果が示されたので,今後,応用サンプルに適用することに集中し,良質な単結晶が得られた場合には,シンクロトロン放射光施設にてX線回折実験を行う.その際に,予備実験は,本研究室に既存のX線回折装置を用いて行う予定である.初期位相の計算は,PDBに登録されたモデル蛋白質の構造をサーチモデルとして,分子置換法によって行う. また,二次元分子空間材料と蛋白質の混合条件,結晶化条件を最適化し,二次元分子空間材料が蛋白質の結晶化に及ぼす影響を検討する.その結果に応じて,二次元分子空間材料の最適化を行う.例えば,ペプチドの長さや残基の種類,結晶化する際の材料とタンパク質の混合比などを再考する.最終的に二次元分子空間材料の有用性を評価し,汎用の結晶核形成を促進する材料を創製する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度の開発に使用したモデル蛋白質を,予定の3種類から1種類に絞った結果,650,000円の使用残高が生じたが,次年度に予定の,結晶核形成を促進する材料創製,および,多数の応用蛋白質の大量調製のための消耗品費購入に充てる. また,本年度,結晶化種作成用の消耗品費として使用した2,884円(本年度内に納品も完了済)の支払いが,次年度以降となった.
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Research Products
(1 results)