2012 Fiscal Year Annual Research Report
クライオトモグラフィー法に適したクライオホルダーの開発に向けての試験的研究
Project/Area Number |
24657075
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
安永 卓生 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (60251394)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | クライオ電子顕微鏡 / 構造生物学 / 電子顕微鏡法 / 試料ホルダー / 蛋白質構造解析 |
Research Abstract |
クライオ電子顕微鏡法のための試料ステージの試験的開発を実施した。既存の低温ステージと比較しながら、低温ステージホルダーについての設計を行い、それに必要なクライオポンプ、制御装置等を購入し、ホルダーの実装を開始したが、予算不足により、ステージ全体の完成には至らなかった。今後、継続的に予算を投入し、ステージの性能測定が可能な試作品を作成する予定である。 そこで、提案書にあったもうひとつの方法を試行した。従来のクライオホルダーを真空引きすることでステージの低温化をはかった。真空引きのための真空ポンプを別途予算にて購入し、その結果、従来、液体窒素ののみで低温化した場合よりも、-10~-15度の温度低下が観察された。かつ、ホルダーデュア内の窒素は固体窒素温度になったことを確認できた。同様の真空引き型のアンチコンタミネータの場合、さらに真空度の改善がなされ、-200度以下となることが実現していくことから、真空度の改善により、更に温度低下が見込める。 また、真空ポンプから持ち込まれる振動に関しては、真空引きのためのホースの種類を変更しながら試行し、柔軟性のあるホースであれば、観察可能な程度の1nmを下回る振動で観察でき、かつ、写真撮影が可能であることが分かった。また、停止した場合も10秒程度であれば、温度が維持され、写真撮影が可能であることが分かった。写真撮影時とポンプの起動を連動することで、更なる改善が期待される。 後者の方法は、手軽であり、かつ、低温下が測れることから、真空引きホースやポンプの高性能化を通して、実用的な方法として提案する。 今後、前者の方法での振動制御に向けて、開発を進めていく。
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Research Products
(4 results)