2014 Fiscal Year Annual Research Report
発熱植物ザゼンソウにおいて見出された脱共役活性の分子基盤に関する研究
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24657080
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
伊藤 菊一 岩手大学, 農学部, 教授 (50232434)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ミトコンドリア呼吸 |
Outline of Annual Research Achievements |
サトイモ科植物であるザゼンソウは、早春に開花し、肉穂花序と呼ばれる花器が特異的に発熱することが知られている。肉穂花序による発熱反応により当該器官の温度はほぼ23℃程度に保たれることが判明しており、本植物においては、熱制御に関わる分子メカニズムが存在していることが予想される。本年度の研究においては、野外に自生しているザゼンソウの発熱器官である肉穂花序の小花からパーコール密度勾配法を用い、インタクトなミトコンドリアを調製した。精製手法の改変により、高品質で高い活性を有するミトコンドリアを得ることに成功した。ミトコンドリアの呼吸経路はシアン耐性呼吸酵素を回するAOX経路と、脱共役タンパク質が関与することが予想されCOX経路を介した代謝が行われる。両経路は、ATPの合成に関与せずエネルギー消散的であることから、熱産生に密接に関与していると考えられている。本年度の解析においては、両者の活性を特異的な阻害剤を用い、種々の条件において個別に解析し、それぞれの経路の熱産生への関与について詳細に検討した。その結果、野外に自生するザゼンソウ肉穂花序温度である23℃におけるCOX経路の呼吸活性は、AOX経路に比べて低いものの、より高い温度においては、COX経路の活性が相対的に高くなることが判明した。さらに、state 3およびstate4呼吸から見積もられるCOX経路のRCRはほぼ1に近い値を示すことが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)