2012 Fiscal Year Research-status Report
栄養状態に応答するmiRNAと時計遺伝子の発現振動相互作用の解析
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24657081
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堅田 利明 東京大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (10088859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福山 征光 東京大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (20422389)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | microRNA / 時計遺伝子 / 栄養応答 |
Research Abstract |
miR-17-92クラスターは、ポリシストロニックに転写される6つのmicroRNA (miRNA) からなり、oncomir-1とも呼ばれ、腫瘍形成に関与することが知られている。しかしながら、クラスターを構成する個々のmiRNAは、それぞれことなる発現制御を受けていることを示唆する報告がされており、また、詳細な生理機能や介在するシグナル伝達経路は不明な点が多い。申請者らは、TargetscanなどのmiRNA標的遺伝子を予測するアルゴリズムを用いて、miR-17-92クラスターを構成するmiRNAの一つであるmiR-92とその線虫オルソログmiR-235が、ともに時計遺伝子であるPer2やTEFを標的遺伝子とする可能性を見出した。そこで、線虫と哺乳動物において、miR-92/miR-235とPer2やTEFとの相互作用の普遍性を検証することにした。 まず最初に、線虫ではmiR-235の欠失変異体が得られていることから、この変異体と野生型において、Per2やTEFの発現量を比較したところ、Per2(線虫ではlin-42とよばれている)の発現が変異体において有為に上昇していることが認められた。 また、miR-235変異体は、神経前駆細胞の異常な活性化を示すが、Per2の機能阻害がこの表現系を抑制することから、遺伝学的にもmiR-235の下流でPer2が機能することが示唆された。 これまでの予備実験により、miR-235の発現量は、lin-4などのすでによく調べられているmiRNAと比較して、非常に少ないことが分かっているが、条件検討をおこない比較的簡便に定量的RT-PCR法にて発現解析を行うことが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
線虫の実験系では、miR-92がPer2の発現を負に制御していることを認めることができ、一部のデータをすでに論文発表できたことから、おおむね順調に実験計画は進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は哺乳動物培養細胞実験系により研究のウェイトを移す。培養細胞を用いて、1)miR-92とそのオルソログの発現振動の検討、2)TEFやPer2が、miR-92とそのオルソログの標的遺伝子である可能性の検討、3) 時計遺伝子によるmiR-92発現制御の検討をおこなう予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
培養細胞を用いた実験を予定ほど行わなかったため、当該助成金が生じた。翌年度分として請求した助成金とあわせて、消耗品費、旅費、謝金等に使用予定である。
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Research Products
(18 results)