2012 Fiscal Year Research-status Report
オートファジー活性の定量化を可能にするTRAP法の開発
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24657089
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野田 健司 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (00290908)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | オートファジー |
Research Abstract |
オートファジーは大規模な細胞内分解過程であり、従来細胞の基本的な恒常性維持に寄与すると考えられてきたが、近年、それに加えてガンや神経変性疾患や免疫機構など、生理的な重要なプロセスと密接に関わり合うことが明らかとなり、注目を集めている。特にその活性を人為的に調節することができた場合、それらの重要な疾患に対抗しうる手段となりうる可能性がある。オートファジーは栄養飢餓などの刺激により誘導され、それが細胞全体を分解するまでに終了する。このようにその活性を精緻に調節する分子メカニズムが存在することが想定されるが、その詳細は今だ不明である。その目的のためにオートファジーを定量化できる実験系が必要である。本研究では、申請者のこれまでの酵母細胞におけるオートファジー定量化法をさらに発展させ、酵母及び哺乳類細胞で新規の方法を開発し、その制御機構にアプローチすることを目指す。本年度は第一に、これまでの酵母の系をさらに発展させることにより新たな制御機構の解明を行った。その結果、これまで知られていないオートファジーの上流因子を発見することに成功し、その分子機構について提唱することができ、現在論文の投稿を行っている。さらに哺乳類細胞での実験系の確立に関して、基礎的なデータを収集し、その中で二つのアイデアのうち一つは、実際に検証が進むことにより、実現の可能性へ向けた展開が、次年度予想される。もうひとつのアイデアの検証も進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
酵母細胞の既存時実験系の発展に関して、予想以上の成果が得られた。 また哺乳類細胞の実験系に関して、着実に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
酵母オートファジーアッセイ法の開発及びその応用に関しては、本年度中に2報論文を発表し、その発展を目指す。哺乳類細胞のオートファジーアッセイ法の開発に関しては、昨年度の成果を発展させることを目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
二つの実験系を展開するために、主に試薬やプラスティック器具など消耗品に使用する予定である。
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Research Products
(3 results)