2012 Fiscal Year Research-status Report
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24657090
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
船戸 洋佑 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (60505775)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | マグネシウム / 恒常性 / MagEx |
Research Abstract |
本研究は、未だよくわかっていないマグネシウムの生体への取り込み機構を明らかにすることに挑戦するものである。平成24年度は、申請者が細胞レベルでの解析よりマグネシウム排出蛋白質であることを明らかにしてきたMagExについて、その生体内における発現部位の詳細な解析、およびMagExの基側部局在化機構の解析に取り組んだ。MagExを特異的に認識する抗体を用いてウェスタンブロット、ならびに組織染色を行い発現を調べたところ、腸の吸収上皮細胞と歯のエナメル芽細胞に強いMagExのシグナルが認められ、MagEx遺伝子ノックアウトマウスではそのシグナルが消失していた。また、いずれの細胞においてもMagExの発現は基側部に限局しており、マグネシウムの経細胞輸送に関与していることを強く伺わせた。このMagExの基側部局在機構を明らかとするべく、培養細胞レベルでの実験を行った。上皮極性の研究で汎用されるMDCK細胞にMagExを発現させると、期待通りに基側部への局在が観察された。タンパク質の基側部局在についてAP1B複合体の関与が報告されており、実際にMagExについてAP1B複合体が認識するモチーフ配列にアミノ酸点変異を加えると、一部の変異体については基側部のみならず頂端部においてもMagExのシグナルが観察された。従って、MagExの基側部局在化においてAP1B複合体が関与している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MagExの遺伝子ノックアウトマウスが既にホモ変異体マウスまで作出されており、すでにこのマウスを用いた解析よりMagExがマグネシウムの生体への吸収に重要であることを示唆する実験結果が得られつつある。また、MagExがマグネシウムの経細胞輸送に関わるために必須と考えられるその基側部局在化機構についても、AP1B複合体が関与していることを示唆する結果が得られており、研究期間内に明確な結果を得ることが十分に可能と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
MagEx遺伝子ノックアウトマウスについて、その解析を行う。血中や各種組織中のマグネシウム濃度を測定する他、低マグネシウム血症の患者において観察される食欲不振、衰弱、痙攣などを中心に、その表現型を観察する。また同時に、高マグネシウム食などによるマグネシウムの付加等により表現型の回復するかどうかなどについても調べる。また、MagExの基側部局在化機構の解析については、AP1B複合体の構成因子とMagExとの結合解析や、RNA干渉法による発現抑制実験を行い、MagExの基底側への局在制御における重要性をさらに検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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