2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24657093
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
古川 良明 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (40415287)
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Keywords | タンパク質 / 銅イオン / 金属シャペロン |
Research Abstract |
本研究では、細胞内での銅イオン輸送について構成論的なアプローチによりその制御メカニズムの解明を試みるために、銅シャペロンのモデルとして出芽酵母由来のCCSタンパク質に着目した。CCSは銅・亜鉛スーパーオキシドディスムターゼ(SOD1)に銅イオンを輸送するタンパク質である。また、膜タンパク質であるCTR1は、C末端側に存在するドメイン(CTR1C)が細胞質側となるように膜上に配置されていることから、CTR1Cドメインが銅シャペロンとの相互作用を行う部位であると考え、出芽酵母由来のCTR1Cを作製・精製した。精製したCTR1CにCu+イオンを滴下したものの、銅結合型CTR1C(Cu-CTR1C)は得られなかった。CTR1Cは6つのシステイン残基を配位子として、4つのCu+イオンを結合することが示唆されている。しかし、電気泳動法による解析の結果、精製したCTR1Cのシステイン残基は酸化されてジスルフィド結合を形成し、多量体として存在していることが分かった。そこで、CTR1Cに形成したジスルフィド結合を効率よく還元する手法を確立し、得られた還元型CTR1CにCu+イオンを滴下すると、約4当量のCu+イオンを結合したCu-CTR1Cを作製できることが、分光学的手法により明らかとなった。Cu-CTR1CからCCSへの銅イオン移動は、既報に従い作製したアポ型のCCS(apo-CCS)とCu-CTR1Cを混合し、37 oCで1時間インキュベートすることで検討した。反応後、CCSとCTR1Cをサイズ排除クロマトグラフィーにより分離し、CCSを含む分画について、タンパク質及び銅イオンの比色定量を行った結果、CCSは銅イオンを結合していることが分かった。Apo-CTR1Cとapo-CCSを混合した場合や、apo-CCSのみを用いた際には、銅イオンが検出されなかったことから、CTR1Cに結合したCu+イオンがCCSに移動したと考えられる。
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Research Products
(7 results)