2012 Fiscal Year Research-status Report
FRETセンサーによる後期エンドソーム・リソソーム系の制御機構の解析
Project/Area Number |
24657094
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
中村 岳史 東京理科大学, 生命医科学研究所, 教授 (60362604)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Rab7 / 後期エンドソーム / リソソーム / Rab5 / FRET |
Research Abstract |
細胞の生存や機能の維持に不可欠な膜輸送経路において、リソソームはエンドサイトーシス、オートファジー、貪食、分泌の各経路から生体高分子や細胞内小器官などを受け取って分解する役割を持つ。変性蛋白質の細胞内蓄積やシナプス機能の不全など神経変性疾患の初期病変の多くについて、リソソーム自体の異常によるものに加え、オートファジーの不全やエクソソームによる分泌の異常などを介して、リソソームの形成と細胞内配置の異常が深く関わると考えられる。そのリソソームの動態を制御するキー分子が Rab7サブファミリーである。そこで、生きた細胞で活性変化を可視化できるFRETセンサーを活用して、Rab7サブファミリーによる神経細胞での後期エンドソームとリソソーム動態(形成と細胞内配置)の制御とその破綻の解析を行うことを目指して研究を進めた。センサーのデザインの開発などを積み重ねて、Rab7のFRETセンサーを開発した。複数の手法でこのセンサーがRab7の活性をモニターできることを確認しており、またこのセンサーはRab7と同じ細胞内局在を示す。さらにEGF刺激したCOS7細胞を用いて、マクロピノサイトーシスにおけるRab5とRab7の局在と活性の時空間変化を進めている。現時点で得られた結果は以下のとおりである。①Rab5とRab7はマクロピノソームの形成の直前にその場所にリクルートされる。ただし、Rab5の局在が10-20分程度と一過性であるのに対して、マクロピノソームでのRab7量は徐々に増大し、30分程度でプラトーに達したのちもそのレベルを維持し続ける。②Rab7は不活性型でマクロピノソームにリクルートされ、その後10-30分程度たってから活性が上がってくる。③マクロピノサイトーシスにおいては、Rab5の局所活性(より正確にはGEF/GAPのバランス)とRab5のリクルートがずれている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
課題の大きな目的であるRab7のFRETセンサーの作製を行い、いくつかの常法により性能評価を終えて、研究に使用できるレベルのものを得て、その目的を達成した。提案したいくつかの系のうち、最初のものについてRab5とRab7の同時解析を行い、従来の見方と異なる新知見をいくつか得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
提案した系および神経細胞系などについても、各種の刺激やストレスを与えた状況で、Rab7の活性がどう変化するか、またそれに伴って各種のエフェクターとの結合がどう変化するかなどを重点的に検討する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主に物品費(試薬、プラスチック器具などの消耗品)に使用する
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