2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24657095
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
千葉 志信 京都産業大学, 総合生命科学部, 助教 (20523517)
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Keywords | 翻訳アレスト / 蛋白質膜組込 |
Research Abstract |
本研究の研究代表者らのこれまでの研究を含む幾つかの報告から、翻訳伸長の途上で働くユニークなタンパク質の存在が明らかにされてきた。本研究では、まだ発見されていない新しい機能を持つ翻訳途上鎖の探索、および、既に同定されている機能的翻訳途上鎖を遺伝子改変することで、本来のものと異なる新しい機能を持つ翻訳途上鎖の構築を目指した。新規アレストタンパク質の探索については、翻訳途上鎖にユニークな性質であるC末端にtRNAが共有結合しているという特徴を利用することで、合成完了後のタンパク質と区別可能である。その性質を利用し、大腸菌の遺伝子のうち、およそ1000個をこれまでシステマティックに探索した。その結果、予想外のことに、全体の80%以上の遺伝子が、タンパク質合成の途上で少なくとも1回以上伸長を一時停止させることが分かった。このことは、翻訳伸長の一時停止が一般的なタンパク質にとっても普遍的であることを示しており、これまでの我々の翻訳に対する見方を大きく変えるものとなった(投稿準備中)。一方、あまりにも多くのタンパク質が翻訳伸長を一時停止させるという予想外の結果は、この中から、翻訳途上で働く因子を同定することを困難にさせた。新規アレスト因子の探索には、実験上のさらなる工夫が必要であると思われる。一方、アレスト因子を改変して様々なセンサーを開発するプロジェクトは、タンパク質の膜透過や膜組込の幾つかの経路を感知すると思われるセンサーをデザインできた。願わくば、蛋白質局在化装置以外の細胞装置を感知するセンサーを開発したいとの野望があったが、こちらはまだ成功していない。一方、オリジナルのMifMをセンサーとして利用し、膜組込装置の分子機構を解明することを試み、膜組込装置と基質膜蛋白質との静電的相互の重要性を発見し、これまで知られていなかった新しい蛋白質膜組込の機構の存在を提唱することが出来た。
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Research Products
(5 results)