2013 Fiscal Year Annual Research Report
NMRを用いたべん毛モータータンパク質の構造動態の挑戦的解析
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24657099
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
本間 道夫 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (50209342)
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Keywords | べん毛 / NMR / タンパク質の構造 |
Research Abstract |
ナトリウム駆動型べん毛モーターにおける回転力産生に重要な荷電残基が、FliGのC末端領域にあると考えられている。FliGのC末端領域を含むような大量調整可能なリコンビナントタンパク質を作成し、NMR測定の基本情報である1H-15N TROSY-HSQCを測定している。リコンビナントタンパク質の物理化学的性質をあきらかにするために、DSC測定も行っている。昨年度、C末端の保存荷電残基のHSQCシグナルは特定できているが、界面活性剤を加えるとそれらシグナルの特定が困難になる。そこで、PomAの可溶性断片を加えてシグナルの変化を検出しようと試みたが、相互作用を示す変化は検出できなかった。FliGcの構造を完全にきめる為にシグナルの改善を必要とした。そこで、リコンビナントタンパク質のHis-Tagを切断したFliGcを調製したところ、主鎖の連鎖帰属が改善され、95%の主鎖の帰属に成功している。変異体の利用、アミノ酸特異的ラベルなどを併用して、主鎖シグナルの更なる帰属を進める必要がある。また、今後、PomAとの相互作用によるトルク発生のメカニズムを知るためにはPomAとの相互作用領域の特定や構造変化の有無を調べることが必須である。しかし、問題としては。PomAの可溶化に適した界面活性剤がFliGcを変性させてしまうことや可溶化タグのGB1を付加したGB1-A-loopのみでは、FliGとの相互作用がみられないことが挙げられる。PomAB複合体について、界面活性剤Cymal-5を用いて、精製を行っているが、NMRシグナル(Met) の分離は悪く、結晶化も試みているが成功していない。膜の可溶化にはCymal-5が最適であることが分かったが、オクチルグリコシド、ドデシルマルトシド、デシルマルトシドなどの界面活性剤を使うことで、精製条件の改善ができている。
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