2013 Fiscal Year Annual Research Report
選択的スプライシング制御を介した熱ストレス応答機構
Project/Area Number |
24657118
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
井上 邦夫 神戸大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40252415)
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Keywords | 遺伝子 / 発現制御 / 細胞環境 / スプライシング |
Research Abstract |
熱ストレスはmRNA前駆体におけるスプライシングをグローバルに抑制すると考えられているが、実際には、効率よくスプライシングされる遺伝子や、選択的スプライシングを受ける遺伝子が存在する。本研究では、私たちの見出したU1 snRNPに依存しない新規スプライシング機構が熱ストレスによるスプライシング抑制を回避する機構の一つとして働いている可能性について、U1 snRNPの機能阻害実験を用いて検証を行ったが、現時点では、この作業仮説を支持する結果は得られていない。 一方、熱ストレス条件下で誘導される選択的スプライシングの制御機構について、ヒトhsp105遺伝子をモデル系として解析を行った。その結果、hsp105遺伝子の第12エキソン内に熱ストレスに応答してエキソンスキップ誘導を行う制御シス配列が存在すること、また、RNA結合性タンパク質等の網羅的なノックダウン実験から、hnRNP Kタンパク質がhsp105遺伝子における熱ストレス応答性のスプライシング制御に必須なことなどが明らかとなった。さらに、エキソンアレイ解析から熱ストレス応答性のスプライシング制御を受けることを見出した他の遺伝子群については、hnRNP Kタンパク質は重要でないことがわかったが、これらの遺伝子群のなかには、スプライシング因子SRタンパク質のノックダウンによって熱ストレス応答性のスプライシング制御が起こらなくなるものがあることが明らかとなった。
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