2013 Fiscal Year Annual Research Report
力刺激が心臓のエネルギー代謝基盤を支えるメカニズム
Project/Area Number |
24657127
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小椋 利彦 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (60273851)
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Keywords | 心筋 / 力刺激 / エネルギー / 酸化的リン酸化 |
Research Abstract |
心臓は変動する脈拍、血圧に対応しながら循環の恒常性を維持している。このためには、心拍を維持するために十分なATPが産生され続けなければならない。心拍に使われるATP量はきわめて多く、ATP産生基盤のエネルギー代謝が破綻すれば、心不全、死を意味する。従って、心臓は循環動態に呼応してエネルギー代謝を制御しなければならない。しかし、このメカニズムは全く解明されていない。心筋に対する力学負荷に反応してエネルギー代謝を制御する因子を発見したので、本研究ではその分子メカニズムを解明する。これまでに、力刺激によって細胞質から核内に移行する MKL2 が、実際、圧負荷をかけたマウス心筋組織で核内シャトルを速やかに起こすことを確認した。また、核内受容体 ERR/PPAR を活性化することも確認した。心筋細胞を用いる代わりに、骨格筋に分化するC2C12細胞を用いた実験ではは、実際に酸化的リン酸化の増加が見られた。この時、解糖系の更新は抑制されたままであった。また、C2C12細胞は、通常、TypIIb 筋肉に分化するが、力刺激を加えた場合、TypeIIaのみに分化することも見いだされた。種々の代謝系酵素の遺伝子発現もこの結果を裏付けるものであった。このような知見を踏まえ、さらに、MKL2/ERR/PPAR の転写活性化にPGC1 + unknown factor が必要であることがわかり、本年度はこの因子の同定を中心に進めた。免疫共沈実験を含め、その分子実体の解明を進めた。
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Research Products
(7 results)