2012 Fiscal Year Annual Research Report
アクトミオシン骨格の動的運動に連動したタイトジャンクション制御メカニズムの解明
Project/Area Number |
24657134
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山崎 裕自 大阪大学, 生命機能研究科, 准教授 (80527664)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 細胞・組織 / 細胞間接着 / アクトミオシン |
Research Abstract |
本研究は、カドヘリン接着、アドヘレンスジャンクション(AJ)/タイトジャンクション(TJ)裏打ちアクトミオシンの二点に焦点をあてることで、細胞間接着力、接着特性によるTJバリアーの制御が存在するか調べることを目的としている。一般的に、タイトジャンクションに焦点を当てた解析によりバリアー特性、制御の解析が進められているが、上皮細胞シートの細胞接着装置を電子顕微鏡により観察したとき、AJとTJにおいて裏打ちアクトミオシン骨格を介した連携が想起される。これまでにMDCK細胞において、新規AJタンパク質Taraをノックダウンした場合、発現するカドヘリンパターンが変化する事を見出だしていた。ノックダウン細胞では、E-カドヘリンの発現が低下し、カドヘリン略の発現が上昇していた。このとき、TJバリアーへの影響をしらべるため、経上皮電気抵抗性(TER)を測定したところ、Taraノックダウン細胞において、TERが低下していた。TERの低下は、E-cadherinの強制発観により、回復したため、AJの接着特性がTJバリアーを変化させると考えた。 次に、MDCK細胞において、E-カドヘリン、カドヘリン略をそれぞれノックダウンした細胞を樹立したところ、E-カドヘリンドミナントな細胞の方が、TERが高かった。カドヘリンの接着力によりTJバリアーが調節を受けていると考えられた。したがって、AJ/アクトミオシン系によるTJバリアー制御は、上皮生体バリアーのコントロールに重要な役割を担っていることが示唆される。今後、カドヘリンの発現パターンの異なる細胞株を用いた詳細な接着力測定とバリアー測定、そして、分子メカニズムの解明を進める必要がある。また、タイトジャンクションバリアーの研究を進める上で、アドヘレンスジャンクションの接着特性についても十分な検討が必要であることが考えられた。
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