2012 Fiscal Year Research-status Report
哺乳類エンドサイクルの理解とシグナロソームによる制御
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24657137
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
加藤 順也 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (00273839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 規子 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (10252785)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | COP9 シグナロソーム |
Research Abstract |
(1) COP9シグナロソームの酵素活性中心のサブユニット(CSN5)を組織特異的に条件性ノックアウトできるマウスシステムを作製する。方法としては、誘導可能なCRE組換え酵素をCSN5/Jab1 Floxマウスの骨髄で発現させる。まず、タモキシフェンにより誘導可能なCRE組換え酵素をコードするcDNAを、骨髄で特異的に活性化されるエンハンサーとプロモーターに連結した組織特異的発現ベクターを構築した。これを、B6マウスの受精卵にマイクロインジェクションすることにより、タモキシフェンにより誘導可能なCRE組換え酵素を骨髄で特異的に発現するトランスジェニックマウスの系統を数系統樹立した。これをB6マウスと掛け合わせることにより、安定な系統を3種確立した。次にこの系統をCSN5/Jab1 Floxマウスを掛け合せ、さらにこの子孫をCSN5/Jab1 Floxマウスと掛け合わせることにより、タモキシフェンにより誘導可能なCRE組換え酵素(CRE-ER)を持つCSN5/Jab1 Floxマウス(CSN5Flox(f/-、f/f、あるいはf/+)+CRE-ERマウス)を作製した。現在、CSN5(f/+) +CRE-ERマウスにタモキシフェンを腹腔内注入しCSN5遺伝子座がノックアウトされるか検討している。用いたエンハンサー/プロモーターが造血幹細胞に発現する活性を持つことを考慮し、タモキシフェン投与後、5FUを注入することにより、CSN5遺伝子がノックアウトされた細胞がより多く増殖するように工夫を加えた方法を試す予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究の性質上マウスを用いた実験を多く行っており、その中で誘導性条件性ノックアウトマウスを作製しているが、他研究機関にて作製したため、維持、交配とスクリーニングに予想以上の手間と時間がかかり、また、搬送時に当初の予定に無かったクリーニングのステップが加わったため、実験の日数が大幅に伸びた。
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Strategy for Future Research Activity |
速やかにマウスの交配を進め、目的の遺伝型のマウスと細胞を得て研究を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
「未使用額が生じた状況(理由)」 タモキシフェンにより誘導可能なCRE組換え酵素を骨髄で特異的に発現するトランスジェニックマウスの系統を他研究機関にて作製したため、維持、交配とスクリーニングに予想以上の手間と時間がかかり、また、搬送時に当初の予定に無かったクリーニングのステップが加わったため、実験の日数が大幅に伸びた。また、研究の性質上、特異的な遺伝子型を持つマウスを交配により作製する必要があるが、一時的に交配の効率が下がり、目的の遺伝子型を持つマウスを得るのに時間がかかった。 (1) CSN5の条件性ノックアウトマウスシステム 平成24年度に作製したBM/CRE-ER,CSN5floxed/-マウスにタモキシフェンを投与し、末梢血や骨髄細胞を調べることにより、巨核球形成に及ぼす影響を調べ、in vivoにおけるエンドサイクルの開始ポイントを特定しその前後における細胞の動態を調べる。また、BM/CRE-ER,CSN5floxed/-マウスより骨髄細胞を単離して培養し、in vitro培養系でタモキシフェンを投与し、骨髄細胞の分化系列に対する影響を調べる。 (2) K562細胞を用いた巨核球分化のin vitro誘導系 TPA処理したK562細胞を用い、エンドサイクル誘導前後における細胞サンプルを取得し、これまでエンドサイクルに関与すると報告のある因子(サイクリンE、M期制御因子APC/C、Cdkインヒビターp57/p27など)を含めて、細胞周期、シグナル伝達等に係るさまざまな因子の発現量、活性化状態、細胞内局在などの動態を調べ、エンドサイクル開始前後における分子的変化の実態を把握する。最終的に、エンドサイクル開始因子の候補を絞り込み、エンドサイクル誘導の仕組みを解析する。
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