2013 Fiscal Year Research-status Report
哺乳類エンドサイクルの理解とシグナロソームによる制御
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24657137
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
加藤 順也 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (00273839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 規子 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (10252785)
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Keywords | COP9 シグナロソーム |
Research Abstract |
COP9シグナロソームの酵素活性中心のサブユニット(CSN5)を組織特異的に条件性ノックアウトできるマウスシステムの作製を行っている。そのため、タモキシフェンにより誘導可能なCRE組換え酵素をコードするcDNAを、骨髄で特異的に活性化されるエンハンサーとプロモーターに連結した組織特異的発現ベクターを構築した。これを、B6マウスの受精卵にマイクロインジェクションすることにより、タモキシフェンにより誘導可能なCRE組換え酵素を骨髄で特異的に発現するトランスジェニックの系統を複数種類樹立した。これをB6マウスと掛け合わせて安定にゲノムにインテグレーションされた系統を3種確立した。次にこの系統をCSN5 Floxマウスと掛け合せ、さらにその子孫をCSN5 Floxマウスと掛け合せる事により、タモキシフェンにより誘導可能なCRE組換え酵素を骨髄で特異的に発現するCSN5 Floxマウスを作製した。このマウスに、タモキシフェンを腹腔内注射したところ、CSN5のFlox遺伝子座が減少し、マーカーであるGFPの陽性細胞が時間とともに減少した。次に、十分数のCSN5の条件性誘導性ノックアウトマウスを得るために、タモキシフェンにより誘導可能なCRE組換え酵素を骨髄で特異的に発現するマウスとCSN5のFloxマウスと掛け合わせているが、マウスの産子数が少なく目的の遺伝子型を持つマウスが十分に得られていない。現在、今までの掛け合せを継続するとともに、新たな方法を模索している。 上記遺伝子組換えマウスを用いた解析とともに、K562細胞を用いた巨核球分化のin vitro誘導系をセットアップした。K562細胞をTPAで処理し、巨核球分化誘導時の細胞周期、ploidy、細胞形態を調べた。さらに、TPA処理前後で種々の因子の発現を調べ比較した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
十分数のCSN5の条件性誘導性ノックアウトマウスを得るために、タモキシフェンにより誘導可能なCRE組換え酵素を骨髄で特異的に発現するマウスとCSN5のFloxマウスと掛け合わせているが、マウスの産子数が少なく目的の遺伝子型を持つマウスが十分に得られておらず、有為な解析ができない。そのため、今までの掛け合せを継続するとともに、新たな方法を模索している。
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Strategy for Future Research Activity |
タモキシフェンにより誘導可能なCRE組換え酵素を骨髄で特異的に発現するトランスジェニック系統の作製が完了し、CSN5の条件性誘導性ノックアウトマウスを得るためにCSN5のFloxed遺伝子座を持つマウスと掛け合わせているが、マウスの産子数が少なく目的の遺伝子型を持つマウスが十分に得られないため、有為な解析ができない。そのため、今までの掛け合せを継続するとともに、新たな計画として骨髄移植により目的の解析が可能なマウスの作製をすることにした。そのための条件設定を行っている。また、K562細胞を用いた巨核球分化のin vitro誘導系を用いて、TPA処理前後での種々の因子の機能を調べる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
タモキシフェンにより誘導可能なCRE組換え酵素を骨髄で特異的に発現するトランスジェニック系統の作製が完了し、CSN5の条件性誘導性ノックアウトマウスを得るためにCSN5のFloxed遺伝子座を持つマウスと掛け合わせているが、マウスの産子数が少なく目的の遺伝子型を持つマウスが十分に得られないため、有為な解析ができない。そのため、今までの掛け合せを継続するとともに、新たな計画として骨髄移植により目的の解析が可能なマウスの作製をすることにしたため、次年度使用額が生じた。 本研究を完成するため、骨髄移植によりCSN5のFloxed遺伝子座を持つ骨髄細胞にタモキシフェンにより誘導可能なCRE組換え酵素を導入したマウスを作製し、その解析を次年度に行うこととする。また、これまでの掛け合わせに工夫を凝らし、異なった遺伝子座を持つマウスを用いてCSN5の条件性誘導性ノックアウトマウスを得るための努力も行い、もし目的の遺伝子座を持つ組み換えマウスが十分数得られたならばこれも解析する。さらに、K562で既に得られた結果をもとにこのモデルをマウス個体で検証する実験もあわせて行う予定であり、そのために掛け合わせ、あるいは骨髄移植で得られるマウスを解析に用いる。次年度使用額はこれらの解析の経費に充てる。
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